▼続き ページ37
・
｢あぁ、なんだ……エミさんか…｣
｢なんだ、って失礼ですけどまぁええわ。Aさん久しぶりやね｣
エミさんは西高の知り合いで唯一の男友達である。
｢あんまり塾来ないもんねエミさん。｣
｢俺推薦枠やから｣
｢いいなぁ……羨ましい｣
｢Aさん中間も期末もテストあかんかったんやろ？｣
｢えへへ…何も言い返せません。｣
今日はいつもと比べて周りに人は少ないが一応迷惑にならないように小声で話す。
｢あ、せや。クリスマスプレゼントあるんやけどちょっと来れる？｣
｢え、いいの？｣
まさかエミさんからプレゼントを貰えるなんて。いい友人を持ったなぁなんて能天気に思って、席をたとうとすれば突如後ろから手を引かれる。
バランス力のない私はそのまま引かれた方に倒れ込んでしまい、いつの間にか腕の中にいた……
片想い中のグルッペン君の腕の中に。
(sideエミさん)
目の前には敵意むき出しの男、グルッペンさん。
｢………………｣
いや、無言で威圧とかやめてくれる？俺はAさんとはただの友人やから。
そう目で訴えるが彼は未だ眉間にしわを寄せ睨みをきかせている。折角の端正な顔がこれじゃ台無しだ。
トントンさんの方に目をやれば『あーあ』と言ったように頭を抱え込んでいるし、Aさんの友人は愉しそうに微笑みながらこちらを見ている……そうだ君はそういうやつだったね。
そして当のAさんはと言うと……
｢…あ………えっ……ん？…っと…はえ？｣
頭が完全にショートしていた。
言うなればカオス、混沌だ。
｢Aさん？｣
｢……アッハイ！｣
｢プレゼント……忘れてきたみたいやから、｣
｢そっかぁ｣
｢グルッペンさんから貰って｣
｢え？！｣
そう言うとAさんだけじゃなくグルッペンさんも目を丸くする。
いいだろう？少しくらい意地悪したって。
知ってますからね。クリスマスの日に学校の冬期講習帰りに、らしくもなく可愛らしい雑貨屋に入って１時間以上悩んでプレゼント購入していたことくらい。私は向かいのカフェにいたからね、もう丸見えだったよ。本当面白かった。
｢なんか……ﾝﾌｯ精一杯迷ってw選んでたみたいなんでね…wwﾌﾌｯ…店員さんにも相談してww｣
｢おい、笑いすぎだ！というかなんでお前が知ってるんだよ！｣
｢ここ教室だからグルッペンさん静かにね。｣
｢〜〜あ〜わーったよ！｣
どこか腹を決めたように彼は綺麗にラッピングの施された包みと彼女をつれて教室を出ていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» 書けました！宜しければ読んだってくださいm(*_ _)mリクエスト本当に嬉しかったです♪ありがとうございました (2018年3月14日 16時) (
レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» ありがとうございます！！もちろんです(*^^*)ぜひぜひ書かせていただきます (2018年3月14日 15時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - リクエストよろしいでしょうか？鬱先生のハッピーエンドのお話をお願いしたいです！ (2018年3月14日 15時) (レス) id: e5666d0338 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - 十弧さん» 良かったぁ！！！リクエスト本当に嬉しかったです＿( _´ω`)_♪ぜひぜひこれからも来たって下さいね、いっぱい書きたいです！ありがとうございました (2018年3月14日 0時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
十弧(プロフ) - 角砂糖(兼:ただの炊飯器)さん» リクエストしにお邪魔させて頂くかも知れません…。これからも作者様のお書きになるお話を楽しみにしています。これからもご無理なさらず頑張って下さい！ (2018年3月14日 0時) (レス) id: f05eea04c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：角砂糖 | 作成日時：2017年12月2日 19時
