▼「好きにした」(tn) ページ26
「好き！」→「好きにしろ」からの続き(長スギィ)
「っ……着いたっ……！」
時刻は22:40ちょうど。
どこや……どこにおるん……Aさん……
空港の人混みに揉まれながらあたりを見渡す。
「……あ！」
間違いない
毎朝何度も注意して、飽きるほど見た彼女の髪色。
毎朝彼女が俺との時間の為の口実にした髪色。
俺の好きな色。
「待っ……」
しかし手を伸ばすが届かない。
流れに流されていく
周りの音に掻き消されていく
足を止めた
周りの人達が不思議そうにちらりと横目で見るが、すぐ興味無さそうに平然と横を通り過ぎていく。
……諦める？
ｶﾁ……ｶﾁ……ｶﾁ……ｶﾁ……
ｶﾁ……ｶﾁ……
……ｶﾁ
んなわけないやろ！こんぐらい激しい方が俺の好みや！
口角を上げ走り出す
両脇にはAさんの両親らしき人がいた。
容姿端麗だが何処か人間離れしたような雰囲気と彼らの身を包む皺一つ無いスーツ。
そんな相手に立ち向かうんか？本当に俺なんかが出来るん？
でもー…
「Aっ！！！」
「……え……トントン君……な、んで……」
バッとその短く切りそろえられた髪を揺らし、彼女は振り向いて驚いた。
彼女や両親はもちろん周りの人もこちらに振り向いた。
視線が、怖い。
でも……しっかりと今、俺の右手にはAさんの左手がある。
「……Aこの人は誰？」
隣にいた母親が優しく微笑んで尋ねたが目が笑ってない。
「えっと……友達のトントン君です……」
少し震えた声でAさんは答える。
「そう。ごめんなさいねトントン君。急だけどこの子、これからフランスに戻らないとだから……」
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そんな圧を目から感じるが、余計力を入れしっかりと手を握り、母親の目を見据える。
「それはAさんの意思ではないですよね？」
「関係ないわ、この子のことは親の私達が決めるの。貴方に関係ないでしょう？こんな時間よ。早く帰りなさい。行くわよA。」
「あっ……」
『『嫌だ』』
「嫌です……」
「…は？」
右手を自分の方にぐいっと引き寄せる。
そしてそのまま彼女の手を引いて走り出した。
バタンと倒れる彼女のキャリーケースの音と彼女の両親の声が後ろから聞こえたが、振り向かず走り出した。
だって今振り向けば、
「…ト…ン…トン君……好き…
助け…て…くれてありがと…うぅ……」
一緒に走りながら嬉しそうに涙を流す彼女を見てしまうから。
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角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» 書けました！宜しければ読んだってくださいm(*_ _)mリクエスト本当に嬉しかったです♪ありがとうございました (2018年3月14日 16時) (
レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - ランさん» ありがとうございます！！もちろんです(*^^*)ぜひぜひ書かせていただきます (2018年3月14日 15時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - リクエストよろしいでしょうか？鬱先生のハッピーエンドのお話をお願いしたいです！ (2018年3月14日 15時) (レス) id: e5666d0338 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(兼:ただの炊飯器)(プロフ) - 十弧さん» 良かったぁ！！！リクエスト本当に嬉しかったです＿( _´ω`)_♪ぜひぜひこれからも来たって下さいね、いっぱい書きたいです！ありがとうございました (2018年3月14日 0時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
十弧(プロフ) - 角砂糖(兼:ただの炊飯器)さん» リクエストしにお邪魔させて頂くかも知れません…。これからも作者様のお書きになるお話を楽しみにしています。これからもご無理なさらず頑張って下さい！ (2018年3月14日 0時) (レス) id: f05eea04c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：角砂糖 | 作成日時：2017年12月2日 19時
