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ローは他人のAが自分のことのように腹を立てている理由が理解できなかった。
『そりゃ確かに！センセー見た目ガラ悪いし！ヤクザっぽいし！冷たいし！だけど、分かりますよ！一緒にいれば分かりますよ！先生が実は優しい人だってことくらい』
つまり。
つまりは__。
自分を大切にしてほしいのだ。
ローは茫然としているが、すぐに強張りを溶かし本日何度目かの帽子のつばを下に下げる行動をおこなった。
「『お前を縛るものは何もない…誰もお前を制限しない、お前は自由だ！』」
恩人の残した言葉が脳によぎる。
1秒たりとも忘れたことはなかったが、元々そういう幼少期を生きたのだ。
他者の目は今でも気にしてしまう。
だから、だから。
おれをそういう目で見てくる奴は見抜けるようになった。
そしたらどうだろう、大半が顔で決めている。昔はおれをモンスター扱いしたくせに。
だが、
ローの中で何かが割れた。
おれのためにこんな言葉をかけるやつはまだ……いるもんだな。
ローは昼間なら聞こえないほどの声のボリュームで、
「…………悪かった」
『いや、私も…とやかく言って…』
「違げェ」
どうやら今の謝罪はAが怒ったこととは別のものらしい。
もちろんその謝罪も含まれているが、メインはそちらではなく、
「会議なんて元々ねェ」
『えっ！？』
「ただの嘘の口実だ、花火大会に行くのがめんどうでな」
そのあと普通気がつくだろとローは付け足した。
Aはしばらく口を半開きにしてそのままだったが、
『なーんだ』
ほっと安堵の胸を撫で下ろした。
Aのリアクションについていけず、ローは1人愕然とする。
「なぜお前が安堵する」
『なんでって…大事な会議なんだろうなって思ってたのに、この時間帯にここにいるから、すっぽかしたかと心配で…』
「おれがそんなことするわけねェだろ」
ローはかすかにうつむく。
多少の後ろめたさは感じているようだった。
遠くから花火の打ち上げ音が聞こえてくる。
だが見えるのは手元の小さな花火。
けれどローは花火よりも目の前にいる屈託なく笑う生徒の方が輝いて見えた。
見つめられているのに気がつき、Aが首を傾げて、
『なんですか？』
問うた。
ローははっとしたように、
「なんでもねェ」
新たな花火を着火した。
それから花火がなくなるまでローは過去について話した。
今まで誰にも話したことはなかったが。
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はるさめ(プロフ) - あの、最初の6~7ページかが名前になってて設定した名前に変換されてません。そしてこの作品凄く面白いですね！まだまだ最初部分しか見れてませんが…頑張ってください！応援してます！ (2023年3月1日 15時) (
レス) @page7 id: 299e20c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - あんちょろさん» コメントありがとうございます！遅いですが夜勤頑張ってください！夜更新が多いので気長に待っていただければ…送別会は割と力入れるので楽しみにしていてください！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - ききぽんぬさん» コメントありがとうございます！読んでいただいて光栄です！お気に入り登録もありがとうございます😭更新頑張ります！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 夜勤なうなのにもう送別会編が気になって眠れません（夜勤だから寝るな！） (2022年10月21日 23時) (レス) @page45 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ききぽんぬ(プロフ) - はじめまして、こんにちは！昨日、この作品と出会ってめちゃくちゃおもしろくてあっという間に全て読みました！続編が出来るということでとても嬉しく思います(*´﹀`*)嬉しいお知らせが届くのを楽しみにお気に入り登録させていただきました。これからも応援してます！ (2022年10月21日 11時) (レス) @page43 id: 79ed02044f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2022年10月5日 21時
