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初めて訪れた夜の海は昼とは全く違った。
昼のようにただただ光を含んだ水面ではなかった。
暗い浜から夜風に煽られ波が押し寄せてくる。
夜の海はどこまでも黒い。
Aは結局車を出したローに連れられ、近くの浜辺へ来ていた。
どうやら本当に花火をするらしい。
ローが一緒に入っていた蝋燭にライターで火をつける。
『センセータバコ吸うんですか？』
「……たまにだが」
医者なのに。とはツッコまないでおいた。
「とっととやるぞ」
袋から何本か取り出してAに渡す。
ローは火をつけ始めた。
シューッと音を立てて色とりどりの火花が砂浜の上に落ちる。
Aも数秒遅れて着火した。
「…昨日の詫びにでもだ、話してやるよ」
『……？』
「おれの昔話」
花火に視線を落としながらローは淡々と口にし始めた。
「おれは幼少期、当時希少だった珀鉛病という病にかかって肌がまだらに白く、モンスター扱いを受けていた」
段々とローの声色が涙を流さんばかりの調子になる。
本人は気がついてないようだったが。
下を向かれているので表情は見えない。
よほど、辛い記憶なのだろう。
「幻滅しただろ」
何も返さないAに向かって言う。
「お前が知るおれは、……イケメンなのかもしれねェが、」
自画自賛ではなく、生徒によく言われる単語を使ったことくらいAには分かった。
「昔はホワイトモンスター、分かったならもうおれに構う……」
『先生』
話しているロー本人が何より辛そうだった。
だからだろうか、自傷行為をやめてほしくて。自然と声を硬くしていた。
目的は分からないが、彼がそんなことをする必要はない。
悲しみを掘り起こす必要はない。
『何で、センセーが私の気持ち勝手に決めてるんですか？幻滅なんか微塵もしてませんけど！？』
ローは思わず声が出そうになった。
ぐっとおさえて、帽子のつばを下げて新たな花火に着火する。
『先生、私が容姿だけで見てると思ってます！？』
「思ってたが……違うのか、おれはお前らが言う冷酷で寡黙なんだろ？一緒にいても楽しい相手じゃねェ、そんな人間に構うなんて時間の無…」
お前らのなかには当然Aも含まれていた。
ローがそんな人間でない事くらい短期間過ごしただけでも充分分かる。
『先生そんなんじゃないですけど！何でさっきから自傷発言ばっかするんですか！？辛いのは先生なのに…やめてください！』
「は……？」
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はるさめ(プロフ) - あの、最初の6~7ページかが名前になってて設定した名前に変換されてません。そしてこの作品凄く面白いですね！まだまだ最初部分しか見れてませんが…頑張ってください！応援してます！ (2023年3月1日 15時) (
レス) @page7 id: 299e20c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - あんちょろさん» コメントありがとうございます！遅いですが夜勤頑張ってください！夜更新が多いので気長に待っていただければ…送別会は割と力入れるので楽しみにしていてください！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - ききぽんぬさん» コメントありがとうございます！読んでいただいて光栄です！お気に入り登録もありがとうございます😭更新頑張ります！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 夜勤なうなのにもう送別会編が気になって眠れません（夜勤だから寝るな！） (2022年10月21日 23時) (レス) @page45 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ききぽんぬ(プロフ) - はじめまして、こんにちは！昨日、この作品と出会ってめちゃくちゃおもしろくてあっという間に全て読みました！続編が出来るということでとても嬉しく思います(*´﹀`*)嬉しいお知らせが届くのを楽しみにお気に入り登録させていただきました。これからも応援してます！ (2022年10月21日 11時) (レス) @page43 id: 79ed02044f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2022年10月5日 21時
