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と、ローが本を読むのをやめ、パソコンを開き、イヤホンを付け、仕事を始める。
夏でも被っている帽子を脱いで前髪を掻き上げる仕草やブルーライトカットの眼鏡のブリッジをくいっと上げる仕草、ちょっとした脚の組み方や、椅子のもたれ方。
見ているだけなのに退屈しない。
ずるいよなぁこの人。
音漏れがしており、Aの耳に届く。
洋楽？J-POP？先生が流行りの歌は聞かないか。
……こっち向いてくれないかな。
心の中で繰り返したからだろうか、つい
『こっち向いてくれないかな』
寝言のように呟いた。
だが、Aは呟いていたことに気がつかない。
と、スイッチが入ったように突然にローがこちらを見た。
え、目合っ…
それはあまりに唐突で不自然に感じた。
床を蹴るようにして椅子からぬっと立ち上がるロー。
え、え、え、え、…
こっち来る！？
どきんどきんと動悸が打つ。
だが、期待を裏切るのがこの男だった。
「トラ男〜！！！転んだ！」
Aの横を素通りし向かって行ったのは入り口に立つクラスメイトのルフィのもと。
私のドキドキ返せ！
キレた。
今すぐにでもこの場から消えたくなり、鞄を担いで立ち上がり歩き出した。
横を通ると、ルフィがAの在中に気がつき、声をかける。
「お、Aじゃねェか！何してんだこんなところで？」
『色々あったけどもういい！』
ローと目が合わないよう、下を向いて歩くとすれ違い様に手首を掴まれる。
『えっ』
思いがけず、短く声を上げた。
目の前にスッとした鼻に小さな口が小さな顔にバランスよく収まったローの顔。
やがて口が開き、艶気を含んだ低い声が耳に響いた。
「次からは面と向かって言え、そしたら向いてやるかも知れねェな？」
範疇を越えた一言で頭が真っ白になり、数秒遅れてリアルに間抜けっぽい声が出た。
と、いうことは。
聞いてた！聞かれてた！
身長差が激しいお陰で赤く染まった顔をバッチリ見られる。
ローはそんなAを見て大人びた笑いを漏らした。
そういうとこ！そういうとこが…
『あーっ！もぉーーっ！』
完全敗北をしたAは居た堪れなくなり、保健室の扉を勢いよく閉め、廊下に出た。
顔の熱は冷めず、心配の目で見られる。
「急にどーしたんだ？Aのやつ」
「さァな」
ローは手当てをしながら、小馬鹿にするようにフッと息を漏らして笑って見せた。
先生ずるいっ！！
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はるさめ(プロフ) - あの、最初の6~7ページかが名前になってて設定した名前に変換されてません。そしてこの作品凄く面白いですね！まだまだ最初部分しか見れてませんが…頑張ってください！応援してます！ (2023年3月1日 15時) (
レス) @page7 id: 299e20c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - あんちょろさん» コメントありがとうございます！遅いですが夜勤頑張ってください！夜更新が多いので気長に待っていただければ…送別会は割と力入れるので楽しみにしていてください！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - ききぽんぬさん» コメントありがとうございます！読んでいただいて光栄です！お気に入り登録もありがとうございます😭更新頑張ります！ (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 夜勤なうなのにもう送別会編が気になって眠れません（夜勤だから寝るな！） (2022年10月21日 23時) (レス) @page45 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ききぽんぬ(プロフ) - はじめまして、こんにちは！昨日、この作品と出会ってめちゃくちゃおもしろくてあっという間に全て読みました！続編が出来るということでとても嬉しく思います(*´﹀`*)嬉しいお知らせが届くのを楽しみにお気に入り登録させていただきました。これからも応援してます！ (2022年10月21日 11時) (レス) @page43 id: 79ed02044f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2022年10月5日 21時
