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___ここどこだろう。
道に迷っている少女が1人。
トイレに行った帰りであった。
しかし、トイレに行くと言うのは口実で本当は爆豪とAが一緒にいるのを見たくなかった。
それだけである。
______なに、してんだろうなぁ。
弱音を心の中で吐く。
泣きたくなる。
2人で喋ってるところを見ていると、本当に恋人同士だと嫌なくらい感じる。
_____またあの頃みたいに戻れる？
言ったらどうなる？
Aと友達じゃなくなる？
意識がゆっくりと落ちていきそうになる。
「テメェなにしてんだよ」
思いがけない声にまっすぐ前を向く。
「ば、爆豪くん…なんで…」
そこには好きになってしまった優しい彼が。
愛しい彼が。
「ぽいやつが居たから」
「ぽいやつ…」
苦笑する。
けれど、嬉しかった。
彼が私に会いに来てくれた。
彼が私を探してくれていた。
ああ、好きだ。
「なに泣いてんだよ、迷子になったくらいで」
「…なっ！泣いてないし！」
「おら」
爆豪がハンカチを差し出す。
偏見でハンカチを持ち歩いていなさそうなイメージがあったが持っていた。
思わず笑う。
「爆豪くんハンカチ持ち歩いてるんだ、どごぞの王子よ」
「あ？俺がハンカチ持ってるといけねぇのかよ」
「いやぁ？別に」
百合は涙を拭った。
楽しい。
百合の気持ちを表すならこの一言だ。
「あ、あの…さ、爆豪くん、…もしよければ今日の夜____」
「百合！！」
百合の言葉を遮って、運動部女子たちが走ってくる。
「もー！心配したよ〜！」
「あはは、ごめん、トイレの帰りに人が多すぎて迷ってさー」
と、爆豪がAの姿を見つけ、大股で歩き寄る。
「ばくご…」
百合が呼び止めようとするが、爆豪はすでにAの元へ。
下唇をキュッと噛む。
「おい羽林」
『爆豪くん！？』
すごく久しぶりに苗字だが、名前を呼ばれ、思わず驚くA。
「今日、会いに来いや俺に」
『え、…あ…うん！』
そんな約束さえ、守れるのか、今のAにはそれができるか不安だった。
まずは百合と話すことだ。
あわよくば、彼女に_______
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
