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いつもより冷たい廊下。
飾られている文化祭の飾りが可愛そうに見えてきた。
『爆豪くん、どこ行くの？』
前を歩く彼に聞いた。
手を取られながら。
「誰もいねぇところ」
進み続ける。
『……ねぇ、百合は？』
問いを重ねた。
「変な女どもに呼ばれてった。」
____クラスメイトの誰かかな。
それ以上は気にしないことにした。
『………爆豪く___』
「ここまでくりゃ誰もいねぇだろ」
そう言われ周りを見るとそこは____
爆豪のクラス__A組の教室だった。
確かに誰もいない。
と、手を離された。
少し名残惜しく感じられる。
彼はそのまま自分の席へと座った。
ずっと変わってない席らしい。
___落ち着くのかな。
Aは爆豪の後ろの席に腰をかける。
『クラス一緒だとこんなだろうね』
えへへと笑って見せた。
ヒーロー科にはなりたくはないが彼と一緒なら楽しそうだ。
「………ケッ」
そっぽを向く。
『こうやってさぁ、授業中話して、怒られて、なんてことも出来ないよねぇ』
立ち上がって黒板に書かれたイラストを触る。
粉がついた。
それにしてもクオリティが高い。
『そういえば、何しに____』
振り返ると目の前には爆豪がいた。
正面から抱きしめられた。
風の如く、ふわっと。暖かい。
___え。
頭が完全に真っ白になる。
優しいハグだ。
絞技でもなんでもない。ハグだ。
背の差で爆豪の胸あたりに完全に埋まるA。
「今から言うことしっかり全部聞け、聞かなかったら殺す」
ヒュッとなる。
『はい…』
「俺は、テメェといてから、他人にどう思われようかどうでもよかったのに、気色悪りぃが、嫌われたくねぇとか思っちまうようになった。」
『……うん』
どくどくと鼓動が速い。
これが自分のものなのか、彼のものなのか、全く検討もつかない。
真っ白すぎて頭に正直入って来ないが容量少なめの脳みそでなんとか理解する。
『…………？』
しばらくして、彼から何の言葉も出て来なくなった。
不審に思い、見上げる。
そこには、赤く染まった彼の顔があった。
『えっ』
声が漏れる。
「見んなや！」
『えっ、あっ、えっ？』
再び頭が白くなる。
「ここまで言ったら気付けや！」
『………え、』
___それはつまり……
「〜〜〜〜っ！！テメーに恋愛感情持ってるつってんだよ！文句あっか！」
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
