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『2人とも！？』
「あのクソは…」
「透目くんなら走って行っちゃったよ』
「クソが！」
何かするつもりだった爆豪がタキシードの乱れを直しつつ吠える。
『なにも走っていかなくても…」
息切れが治らない百合の背中を撫でる。
廊下で立ち止まっていると自分達が邪魔なのだと気がついた。
『とりあえず、人の少ないところに行こうか？』
校舎裏へ回ってきた。
文化祭の騒がしさが静かに消えていく。
なんとなく落ち着くところだった。
落ち着いた百合が「飲み物買ってくる」と去ってすぐ、気がついた。
爆豪と2人きり。
久しぶりだ。
爆豪は網にもたれかかり、Aは表面でコンクリートの柱にもたれ、座る。
「…アイツと何話したんだよ」
『え、えーと…』
言ってもいいのか。
微妙なところだ。
けど、
『まとめると、付き合って、みたいな…』
何か返してくるのか。
それが気になった。
「OKすんのかよ」
『え』
近所の小学生の下校時間ということで少し騒がしくなった。
Aは振り向き俯く。
『……わかんない…でも、真剣なら、本気なら、私もそれに応えないと…関係バレてるしね」
ぼぅっとなる。
考えれば考えるほど難しい。
「……バレたからなんだ」
『え？』
「テメェは俺の___」
「お待たせ！！」
百合がペットボトル3本を抱え走ってくる。
百合の大声に会話が攫われる。
「いや〜自販機混んでてさ〜、あ、Aはそーけんね」
『ありがと』
百合から受け取る。
「爆豪くんはコーラにした！よく分かんないから！」
「テメー誰もがコーラ好きだと思うなよ」
しぶしぶ受け取る爆豪。
そんな2人のやりとりを見て、微笑むA。
しかし微笑んだのも数秒だった。
____あれ？
なんとなく、百合の爆豪に対する視線が厚い気がした。
__なん、だろう。
____気のせいだよね？
見てもいないのに爆豪が百合をおんぶして保健室へといく姿が浮かぶ。
2人が保健室にいたのを思い出す。
____私の気のせいだよね。
うん。そうだ。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
