53. ページ3
私にとってキスも、その先の行為も気持ち良いものなんかではなく、ただひたすら耐えるだけのものだったのに。
涙が頬を伝う。
それは、悲しい涙とかではなくて、自分の感情が涙となって溢れ出したのだ。
オッパはその涙をペロッと舐めた。
JN「そんな顔されると、我慢できなくなっちゃうんだけど。」
低く、甘いあの声でそう囁けば、再び私の唇を奪う。
それだけではない。
『んんっ・・・！？』
酸素を求めて唇を開いた瞬間、生暖かい物が口の中へと入って来る。
このオッパ、舌を入れやがりました。
一度入ってしまえば、もう拒むことはできない。
私の口の中で暴れるオッパの舌を受け入れるしかない。
口端から、どちらの物かも分からない唾液が流れる。
ようやく離れたオッパは余裕のなさそうな辛そうな表情で私を見る。
JN「・・・A、色気がないなんて、嘘だ。」
親指で私の口元を拭ってくれる。
JN「可愛いすぎなんだよ。
声も、顔も・・・全部が僕を我慢できなくさせる。」
オッパは私をゆっくり自分の上から降ろす。
JN「・・・早く、帰った方が良い。僕は今、かなり危ない人だから。
Aを傷つけちゃう前に帰って？」
オッパが苦しそうに言う。
その意味が分からないほど、私は子どもではない。
『・・・オッパ、頑張りすぎないでくださいね。』
JN「ん。たくさん充電できたから、大丈夫。」
オッパは目を細めて微笑む。
オッパ、私はオッパになら、この先をされても傷つきません。
けれど、まだ、オッパと付き合う勇気はありません。
だから今日は、逃げます。
でも、今度は・・・私が逃げられないように、いつものように、オッパの熱い瞳と大きな手で私を捕まえてください。
私は頭を下げて、社長室を出る。
エレベーターに乗れば、まだ心臓がドキドキしている。
今日はSUGAで飲めるような顔ではないな。
私はジミンに、今日は家で食べることをメッセージで送り、自分の部屋帰る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2357人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう
| 作成日時：2019年12月9日 0時
