112話 兄弟の色 ページ18
ロシナンテside
あたりは薄暗く、月が登り始めていた。
「結局遅くなっちまった…」
リク王への謝罪、国民の安全の確保等で離れられず、気がつけば夜になっていた。
王宮へ寄った際にヴィオラ王女からロー達の居場所を聞いていた俺は、海軍のテントをこっそり抜け出し目的地へと向かう。
ローがついてるからAは絶対無事だ。
そう思ってはいても握る手が震えている。
月明かりを手がかりに夜道を歩いていると、前方に人影が見える。闇に溶ける黒い大きな帽子に、見覚えがある。
俺が近づく前に、そいつは立ち止まり顔だけ振り返った。
「よぉ、海軍中将」
「生きてたか…革命軍のNo.2」
「当たり前だ！」
「…さっきは助かった。ありがとう」
イッショウさんと対峙した時のことを思い出す。
「よせよ、お互い様だろ？それよりルフィの花嫁は無事なんだろうな？」
「……その花嫁だの婚約者だの何なんだ？」
いつのまにか隣に並び、夜道を歩く。
恐らく目的地は同じなのだろう。
「フッ、トサカ頭が勝手に言ってる事はわかってる。お前らの反応が面白くてちょっと揶揄いたくなっただけだから、そうマジになるなよ」
「あんま大人をイジんじゃねぇよ〜」
ふと、メラメラの実を使いこなすサボの姿が頭によぎる。
「なぁ、お前…麦わらの兄貴なんだっけ？」
「そうだ！弟を捕まえる気ならまずは俺を倒してからだぜ？」
「ハハッ、そんなつもりで来てねぇよ。むしろ感謝しかねぇ……俺はここに来て良かったよ、本当に。海賊も悪くねぇって思えた」
「まぁ、そりゃルフィはいいやつだからな！」
屈託ない笑顔を見せるサボに麦わらの顔、そして火拳のエースの顔が重なる。
「俺はあの頂上戦争で妻を亡くした…だから一時は本気で海賊を恨みさえした。だがな、それと同時に羨ましくもあったんだ」
「羨ましい？」
花畑にポツンと建つ古い家が見えた時、俺は足を止めた。それに気づいたサボも歩みを止め、振り返る。
「お前たち兄弟が、だよ。俺とドフィとは違う…兄弟ならもっと腹の内を曝け出して止めてやるべきだった。俺は遅すぎた……」
過去を振り返り、自責の念に駆られる。
今更俺がローやAの前に現れて何になる。
体が鉛のように重く感じられ次の一歩が踏み出せないでいると、突然サボの笑い声が聞こえた。
「ッ…フハハハッ！！過ぎたこと言っても仕方ねぇじゃねぇか！俺だってそうさ…アイツらのピンチに駆けつけてやれなかった。だから今！そしてこれから後悔しねぇように生きるんだよ!!!」
「……かっけぇなぁ、サボ」
「アンタは考え過ぎだ」
そう言って、小屋の戸を叩いた。
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yoku(プロフ) - つきみさん» 最後まで読んでいただき、有難うございました！！中々次のお話も筆(指)が進まない中、楽しみにしてくれてる方がいると思うと励みになります！コメント嬉しかったです(^^)ありがとうございました！ (6月12日 17時) (
レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
つきみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！爆速で作品を追うことは出来てなかったのですが最後まで楽しく読まさせていただきました！！続編)etcも|´-`)ﾁﾗｯﾜｸﾜｸとひっそり楽しみにしてます！長期間お疲れ様でした！！ (6月12日 0時) (レス) id: 4d0f4686e5 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - プスメラウィッチさん» そうかも、しれませんね(^^) (5月29日 19時) (レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - この小説はトラファルガーローオチですか？ (5月29日 18時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - あかさん» こちらこそ、読んで頂いて、そして素敵なコメントまで頂けて…ありがとうございます！！更新遅くなってしまってますが、きちんと完結させますので、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです(^^) (2023年3月12日 12時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年12月23日 0時
