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顔を真っ青にしている彼女を黙って見つめ続けると顔を逸らし拳を握りしめていた
彩花「な、なんのこと…」
増田「あの日、事故にあった俺を助けたのは彩花じゃない」
彩花「酷い!助けた私に対してそんな風に言うなんて!」
増田「あの時貸してくれたハンカチどこで買った?」
彩花「だから近所の雑貨屋で買ったって言ったでしょ!」
増田「あのハンカチは売り物じゃないんだよ」
驚いて目を大きく開かせゆっくりと顔を向ける彼女にそのまま続けた
増田「あれは本当に助けてくれた子の親戚の方が作ったハンカチだったんだよ」
彩花「っ…ごめんなさい嘘ついて…!でも俊樹の事本当に好きだったからあの時はああするしかないって思ったの!」
増田「…」
彩花「本当にごめんなさいっ」
もう嘘はつけないと観念したのか涙を流しながら俺にしがみつき謝罪を繰り返す彼女の腕を優しく振りほどいた
増田「嘘をついていた事についてはもう怒ってないよ。あの事故がきっかけだったけど彩花の事本当に好きになれたから」
彩花「!なら…!」
増田「でも今は違う」
彩花「っ…」
増田「もう彩花の事好きになれない。ごめん」
助けてくれたから好きになった訳じゃない。
あれは本当にきっかけに過ぎなかった。
俺はちゃんと彼女の性格や人柄を好きになって交際していたつもりだ。けど…
増田「彩花が嘘ついてたのを知って別れを考えたんじゃないよ。もうずっと悩んでた、我慢してた」
彩花「…」
増田「前回別れようって言った時全然俺の話を聞いてくれなくてもう俺さえ我慢すれば上手くいくんだと思ってた。けどそんな事なくて心が削れていくだけだったよ」
彩花「っ…待って!お願い…もうヒステリックになったりしない!ちゃんと俊樹の気持ちも聞くから!」
増田「…ごめん」
彩花「俊樹…っ」
増田「今までありがとう」
本当に最後の言葉に泣きじゃくる彼女を見て良心が傷んだが自分の為にも、そして彼女の為にもそのまま黙って家を出た
もっと早く…いや、前に別れを切り出し時にちゃんと離れていたら自分も彼女もこんなに苦しむ事はなかったんじゃないか。
そう思ったら後悔と彼女への罪悪感で押しつぶされそうになった
でももう前を向くしかない。Aちゃんがあの日言っていたように俺も素直になるって決めたから
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はっとり(プロフ) - 紅狼鬼さん» 荒らし困りますよね💦そんな風に言って貰えるなんて光栄です、、!今後ともどうぞよろしくお願いします!! (6月1日 3時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - iHaruさん» ありがとうございます!嬉しいです😭移行後もぜひよろしくお願いします! (6月1日 3時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
紅狼鬼(プロフ) - 初コメ失礼します!私も荒らされて消した過去がありますので…お気持ちわかります。一言だけすみません。……天才でしょ!!いや、もう好き。大好きです!♡ (5月31日 21時) (レス) @page50 id: a604fe2f52 (このIDを非表示/違反報告)
iHaru(プロフ) - 初コメ失礼します。最近見つけたのですが作者様が天才的すぎて…!たまにしか見られませんが移行後も楽しみにしております! (5月24日 11時) (レス) @page50 id: 26bfa8d96c (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - 鈴蘭リンドウさん» ありがとうございます〜!😭移行後も楽しく読んで貰えるように頑張ります!! (5月21日 1時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はっとり | 作成日時:2023年1月23日 21時