18 ページ19
増田side
仕事を終えて約束通りに彼女の家へと向かった
チャイムを鳴らすと笑顔で出迎えてくれた彼女を見てホッとした
彩花「お疲れ様!」
増田「ありがとう」
彩花「ねえ次はいつ休みなの?この前話した映画観に行きたいんだけど!」
増田「あ…ごめん…またしばらく休みはないんだ」
彩花「また…?最後いつデートしたか覚えてるの!?」
増田「…ごめん」
大声で怒鳴り出す彼女に手は使わずに耳を閉ざし俯いた
最近はずっとこうだ。我慢をさせている自覚はあるから何も言い返さないようにしているが正直俺もいい加減何かが壊れそうだった
彩花「せめて一緒に暮らそうよ!それなら毎日顔合わせられるでしょ!?」
増田「…」
彩花「なんで黙るの!?私と暮らすの嫌なの!?」
増田「そうじゃないよ…今は本当に仕事に集中したいんだ」
彩花「なにそれ…私があの時助けてあげたの忘れたの!?私が助けてあげなかったら声優すらできているかわからないんだから!」
増田「うん…わかってるよ」
あの日、彩花に助けて貰ったことは本当に感謝している。全部彩花の言う通りだ。けど…
最近ずっと考えている事があるんだ。
" あの日助けてくれたのは本当に彩花なのか "
あの時助けてくれた時はハンカチが汚れる事なんてどうでもいい、名前を聞いてもそれよりも早く病院に、ってとにかく必死に介抱してくれた。
そんな人が今こんな風に助けた事を恩に着せるような発言するだろうか。
…いや、こんな事考えるなんて最低だよな。
彩花「うっ…うぅ…っ」
増田「泣くなよ、ごめんな?ちゃんと休み作るから」
泣き出す彼女を抱きしめ落ち着かせるように背中をさすった
❀✿❀
なんとか彼女を落ち着かせ納得してもらった後自分の家に帰宅して深いため息を零した
増田「はぁぁぁ…」
寝室に入り棚の中にしまって置いた事故があった日に貰ったハンカチを手に取った
若干血で汚れているけど彼女との思い出のハンカチだ。
ヒゲを生やしてサングラスをしているウサギのロゴが入ったちょっと変わったハンカチ。
そのロゴを指でそっと撫で、中にしまい棚の扉を閉めた
.
624人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はっとり(プロフ) - 紅狼鬼さん» 荒らし困りますよね💦そんな風に言って貰えるなんて光栄です、、!今後ともどうぞよろしくお願いします!! (6月1日 3時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - iHaruさん» ありがとうございます!嬉しいです😭移行後もぜひよろしくお願いします! (6月1日 3時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
紅狼鬼(プロフ) - 初コメ失礼します!私も荒らされて消した過去がありますので…お気持ちわかります。一言だけすみません。……天才でしょ!!いや、もう好き。大好きです!♡ (5月31日 21時) (レス) @page50 id: a604fe2f52 (このIDを非表示/違反報告)
iHaru(プロフ) - 初コメ失礼します。最近見つけたのですが作者様が天才的すぎて…!たまにしか見られませんが移行後も楽しみにしております! (5月24日 11時) (レス) @page50 id: 26bfa8d96c (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - 鈴蘭リンドウさん» ありがとうございます〜!😭移行後も楽しく読んで貰えるように頑張ります!! (5月21日 1時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はっとり | 作成日時:2023年1月23日 21時