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...
あれからすぐに、新郎様との歌合せの日程が決まった。
業務連絡しかしていない臣さんとの履歴はスクロールしないと出てこない。
それを開いて「明日、１４時に近藤様と一緒に事務所へお伺いします。よろしくお願い致します。」と送る。
すぐに既読になったかと思うと着信画面に切り替わる。
「はい、お疲れ様です。」
「はい、お疲れ様です。」
「...なんでしょうか、臣さん。」
「ははははっ！」
私の話し方をまねしたかと思えば急に聞こえる笑い声。
「おみさーん？」
「っはは、ごめんなさい、面白くて。」
「挨拶でそんなに爆笑できるのは世界で臣さんだけだと思いますよ？」
「Aさんが悪い。」
だって...と何か話しているようだけどごにょごにょしていて全然聞き取れない。
「ごめんなさい、聞こえな「ま、いいや。今何してました？」
「えーっと、会社にいてもう帰るところです。」
「俺も今仕事終わって帰るところです。」
「お疲れ様でした。じゃあ明日よろしくお願いしますね。」
確認の電話だろうと思って、通話を終了しようと思った時。
小さな小さな声で彼は呟いた。
「.....会いたい...です...」
聞いたこともないような悲しい声。
今にも消えてしまうんじゃないか...そんな気さえした。
「どこですか？」
何も答えない彼に待っててくださいと伝え電話を切った。
会社を飛び出しタクシーに乗ろうと思ったけどこういう時にかぎってつかまらない。
無我夢中で走った。
どこにいるのかなんてわからないけど、私の足は勝手にあの場所へ向かっていた。
「はっ...はっ...いた...」
少し先のベンチに人影が見えた。
はっきり表情は見えないが月明かりに照らされるその姿はずっと見ていたいと思えるほど綺麗。
呼吸を整えて、そっと近づいて声をかける。
「臣さん。」
「...ごめん。」
泣きそうに笑う彼を抱きしめた。
自分で自分の行動に驚いたが、何かあったんだろうなってことは顔を見てすぐにわかった。
「大丈夫です。誰もいません。見ていません。」
私の腕の中で肩を震わせて、「ごめん、ごめんね」と呟く彼に大丈夫と伝えることしか出来ない。
少しでも彼の悩みが軽くなりますように。
月を見上げながらそう願う。
...
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あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして！一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田ｻﾝいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2019年11月26日 23時
