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ヒロのおかげでどんな顔して会えばいいか分かんなくなった。
好きだとか彼氏がどうとか…
なんで俺よりも積極的なんだよ。いや、いきなり名前聞いた俺も俺だけど。
深呼吸をして、いざ店内に入ろうとした時。
勢い良く扉が開いて、飛び出してきた人が俺の胸に突進するみたいな形になる。
「おわっ」
「っごめんなさい」
「…Aちゃん?」
思わず抱きとめれば、見覚えのある顔が腕の中にいた。
途端にヒロとのやりとりを思い出して、パッと腕を解く。
俺の顔を見て表情を変えた彼女に、またモヤっとしたものが胸に広がる。
「どうしたの?」
「あ…いえ、あの、」
見れば、喫茶店の制服姿でなく私服だった。
もうバイトあがるのかな、と残念に思ってる間にAちゃんは「失礼します」と頭を下げて走り去ってしまった。
残された俺は呆然と佇んで、その背中を見送る。
…どうしたんだろう、あんなに急いで。
「…?」
ふと足元に、さっきまではなかった何かが落ちてるのを見つけて手に取る。
シンプルなデザインの二連ブレスレットが、あらぬところでちぎれていた。
Aちゃん、のかな…
だとしたらさっきぶつかったときに引っかかったのか。
わざとではないけど、突っ立ってた俺のせいだよな…
Aちゃんが走り去って行った方向を眺めて、改めて掌の中のブレスレットを見る。
…申し訳ない、本当に。
気づけば、電話をかけていた。
「あ、もしもしサトヤス?ちょっと相談があるんだけど暇。…もちろんヒロには内緒ね」
あいつにバレたら、何を想像されるか。
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ゆうな - とっても面白かったです!! (2022年8月2日 3時) (レス) id: 191643a1ba (このIDを非表示/違反報告)
みさみさ(プロフ) - すっごく面白いのでどうか続きをお願いします!!!!! (2017年7月31日 18時) (レス) id: 2452cb85c7 (このIDを非表示/違反報告)
逢月(プロフ) - イマイチ扱い方が分かってなくて^^;ありがとうございます! (2017年5月15日 23時) (レス) id: 67e39d5e3f (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 二次創作なのでオリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月15日 23時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
逢月(プロフ) - ありがとうございます! (2017年5月15日 14時) (レス) id: 67e39d5e3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつ。 | 作成日時:2017年5月14日 18時