そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ6)

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二つの出会いページ6

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翌年の春。
付き合いだして半年が経とうとする頃－－

一緒に出社しながら思い出話に花が咲く。

『Aが盛大にコケた時からもう１年経つんやな〜笑』

「やめて、恥ずかしいから」

『実はな、ずっと言うて無かったんやけど、ホンマはコケる前からAのこと見ててん』

「えっ･･･？」

『ピシッとしたスーツ着とったし、あの子も新入社員なんかな〜･･･ってはじめは見てただけやけど。少ししたら盛大にコケた(笑)』

「ねえ、待って。今更それ言う必要ある？！笑」

『ええやん。俺にとってはいい思い出やで？』

そう言って手を叩きながら楽しそうに笑う和也は
本当に楽しそうだから憎めない･･･
私の反応を見て嬉しそうに笑って、
『神様が俺らを出会わしてくれたんかな』なんてサラッと言っちゃう和也に今日もペースを持ってかれる——

そんな中、会社に着くと
受付前で鞄をガサガサして困った様子の１人の男の子。

？「えっと、すみません、絶対持ってきたんですけど…社員証…社員証…」

受付「どちらの部署になりますか…？」

？「あ、25階の…」

25階なら同じ部署なはず…
今日から配属される新入社員の子かな…
私は無意識に彼に駆け寄っていた

「(ん…？社員証って…)あのー？道、枝くん？」

道枝「へ？！あ、えっと何で僕の名前…」

「あ、えっと、多分探してる社員証…背中にあるよ？笑」

道枝「え？！わっ！ホンマや、、！！」

慌てて首元に手を回して、
背中に回ってしまっていた社員証を前に戻した彼は顔を真っ赤にして笑っていた

道枝「絶対忘れへんように首から下げて、さっき駅から走ったからそん時に回ってしまってたんや、、めっちゃ恥ずい…気付いてくださってありがとうございます…！」

「名前晒しながら歩いてたんだね笑」

初めて会ったこと笑い合っているところに
後ろから和也がひょこっと現れる

『ん〜何々〜？どしたん〜？』

「あ、いや、何か困ってたみたいだから笑」

その後、お互いに社員証を見せるとペコっと頭を下げたその子は“道枝駿佑”と名乗った。

「道枝くん、改めて宜しくねっ」

道枝「いきなり先輩にお恥ずかしいところお見せしてすみません、、」

「ううん(笑)面白かった…」

『何か楽しくなりそやな〜！よっしゃ、行こか〜』

そうして私達は肩を並べてオフィスに向かう
まさかこの出会いが
私達の未来を変えるものとは知らずに——

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