そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ48)

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最低な朝を迎えるページ48

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目が覚めればカーテンの隙間からほんの少しの日が差していて、朝なんだと気付かされる

普段と見慣れない景色で迎える朝は、どうしても過去に迎えた幾度もの最低な朝を思い出させた

でも、今私の視線の先でまだ夢の中にいるであろう彼はとても幸せそうな表情をしていて、その表情１つで過去の出来事なんてどうでも良くなるほどだった。

それに、振り返ればその幾度と迎えた最低な朝の隣に居たのはいつも貴方で、きっと罪悪感に打ちのめされていたのは私だけで、いつも彼は違う気持ちだったのかもしれないとも思った———

長尾「んっ…」

「起こしちゃった…？」

長尾「おはよ、」

「おはよっ」

長尾「ん、こっち来て」

若干寝ぼけながら引き寄せられたその腕の中はあったかくて、いつまでもこのままで居たいと思うほど——

「全然、最低なんかじゃない」

長尾「へ？なんて？」

「ううん。こっちの話。幸せだなぁって」

長尾「…あんま可愛いこと言うてると朝から襲うで」

「へへへっ」

長尾「なんなんその笑い方っ笑」

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生まれて初めて東京を飛び出した私には
目に入るもの全てがとても新鮮で、その一つ一つを楽しそうに説明してくれるこの街に慣れ親しんだ彼

長尾「地元に好きな子と居るの新鮮やわぁ」

「…何言ってるの〜何人も居たでしょ？」

長尾「…前もやったけどさ、どんだけ俺のこと遊び人やと思ってるん？笑」

「遊び人、なんて思ってないけど…まぁ、モテるだろうしなぁって。」

長尾「…俺、こう見えて結構一途なんやで？」

知らんやろ〜？って笑って見せた彼に首を傾げると、照れながらゆっくり口を開いた

長尾「実は…一目惚れやったんやで。」

「えっ…？」

長尾「正直、あの日はみっちーが居ってびっくりしてそっちに気取られたとこもあったから、あんまそんな素振りは見せんかったと思うけど、、」

「入社、日ってこと…？」

長尾「せやで。知らんかったやろ？笑」

そんな前からという事実にも驚いたけど…
そう考えると今まであった色んなことも、、全て好意があったからだったってこと？と思うと…本当に不器用な人なんだと改めて知る

長尾「やっば、恥ずいわ…」

本当に恥ずかしかったのか、キャップで表情を隠してしまった長尾くん。

そんな姿がとても愛しくて、
伝えてくれた気持ちが堪らなく嬉しかったんだ——

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