そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ35)

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『まあでもあれか。謙杜やないってことはみっちーで。でも浮かない顔してて、謙杜の名前でそんな反応するんやから、２人と何かあったんやな』

「･･･和也は探偵か何かなの？」

『もう怖いって言わへんのや？』

「そう、だね。何だかんだ和也なら全部分かってるだろうって思ってたから。だからこそ、長尾くんって言われてびっくりしたのかも」

『むしろ、謙杜の気持ちに気づいとらんかったAに俺はびっくりやわ。』

「そんなに…？」

『そんなに。これでも俺、ずっと気が気じゃ無かったんやで…？』

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『ある時謙杜に言われてん』

「なんて…？」

『"泣かせるんやったら俺にA先輩の隣譲ってください"って。あー好きなんやろなって分かってはいたけど、いざ直接言われたらさすがにビビったわ。』

「･･････」

『でも謙杜やってAのこと泣かせとるやんな』

「泣いてはないよ、」

『でも笑ってもないやん』

「･･･笑ってる、はずだったんだけどね」

今頃、道枝くん心配してるかな…
連絡つかなくて、出勤もしてこなくて
でも、どんな顔で会えば良い？
私、前よりもっと最低な奴になっちゃったよ…

『戻ってきたらええやん』

「え…？」

『これまでAが何してたとか、別に気にせんよ。それが口に出せんようなことやっても、俺は、受け入れられるで』

「それは…できない」

『･･･もう、絶対ありえへんの…？』

「和也に甘えてばっかりいられないから…」

『…そっか。分かった。取り敢えず何か胃に入れんと。こっち来て食べや』

「うん、、、ありがとう。」

久しぶりに食べた和也の手料理はやっぱり絶品で。
私の食べる姿をテーブルに頬杖つきながら眺める和也は、昔と何も変わってなかった

『A、好きやで』

「･･･っ、、」

『…もっと、こうして言えば良かったわ。一緒に居るの当たり前やって思っとったし、これからもずっとそうやろなって。でも、違ったんやな…』

「和也…」

『今更後悔してもしゃーないよな。』

そう言って私の髪をわしゃわしゃっと撫で回した和也は優しい表情で笑った

その表情を見て、私も後悔した———
あの時は自分のことで精一杯すぎて、和也の本当の部分を知ろうとしてなかったのはきっと私の方だったんだ。

「ありがとう…和也」

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