そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ27)

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疑惑ページ27

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結局、本当に長尾くんは着いてきた
このまま出勤することもあって
ピシッとスーツを見に纏った姿は、さっきまでの長尾くんとは良い意味で別人。

「本当にご迷惑おかけしました…」

管理人さんに頭を下げると、
何故か隣で長尾くんまで頭を下げてる

「何で長尾くんまで笑」

長尾「なんとなく？笑」

「ふふっ笑でもほんと、色々ありがとね。感謝してる」

長尾「ええって。ほら、支度せんと遅刻するで？」

「あっ！うん！じゃあまた後で！」

長尾「へっ？待ってるつもりやってんけど」

「ん？どこで？」

長尾「先輩の部屋」

「･･･えええ？！ちょ、待って、それはさ、どうなの…って、あっ！ちょっと…！」

私の手からパッと鍵を奪うと先に鍵を開けて、「ほらっ」と満面の笑みで待機してる長尾くん

「もう、、、」

長尾「ほらっほらっ」

結局勢いに負けて部屋に入れたけど、
昨晩のことから考えると、私って本当にクズなのでは？と思うような行動ばかり…

「(ちゃんと和也と話さなきゃな…)」

支度を進めながら昨日の夜以来、和也のことを考えた。それってどうなのって感じだが、振り返ってもこの瞬間まで、和也のことを考えなくて済むくらい、頭の中に長尾くんが侵入してきていたことに気付く——

「よしっ、お待たせ。行こっか」

長尾「オンモードやね」

「それはお互い様でしょ」

家を出て会社へ向かう。
昨日あんなことがあったのに平然と笑い合ってる私達って本当なんなんだろう、そう不思議に感じながら歩みを進める

『Aっっ！！』

次の角を曲がれば会社が見えてくる、そんなタイミングで聞き慣れた声に呼び止められた

「･･･和也…」

『連絡全然繋がらんし、家にも居らんし、ずっと心配してたんやで…？！』

「ごめん、色々考えたくて」

『話そうや、ちゃんと…』

「うん…そうだね。」

暫く沈黙が続く中、ようやく和也は隣に長尾くんがいることに気付いたようだった

『えっ、謙杜はどうしたん…？』

長尾「へ？ずっとここにおりましたよ〜？」

『え、というかAと同じ方向ちゃうよな？』

長尾「あ、昨日友達ん家泊まってたんすよー！んで、さっき偶然そこで会って」

さらさらっと平気で色んな嘘が出てくる
彼が何か口を滑らせることはきっとないだろう——

だけど、私は忘れない
和也に見えないように、後ろでそっと私の指に触れた事を———

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