悪い顔 ページ14
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週明け少しだけ憂鬱な気持ちで出勤する。
その理由は全て
長尾「おはようございまーす！！」
恒例の彼の元気な挨拶さえ耳に入らないほど
憂鬱な気持ちはピークに達していた
長尾「A先輩？？どうしたんですかー？」
そんな私の気持ちをよそに満面の笑みで
顔を覗き込んでくる長尾くんが少し小悪魔に見える
「長尾くんおはよう。何ともないよ、大丈夫」
長尾「でも何か顔色悪い･･･というかあれや！髪結んでないからや！」
「えっ･･･」
長尾「顔隠れてるから暗く見えるんちゃいます？」
そういって私の髪を耳にかけようとした長尾くんは
手をかけて一瞬でその動きを止めた
長尾「あー･･･笑 なるほどね」
「！！！」
長尾「A先輩、ちょっとこっち来て」
「ちょ、長尾くん待って･･･」
私の言葉なんか聞くこともせずに
手首を掴んでそのまま使っていない会議室に向かった長尾くんは会議室の扉を閉めるとにやっと悪い顔をした——
長尾「ちょっと意外やったなぁ」
「長、尾くん･･･？」
長尾「A先輩ってキスマークとかつけられて出勤しちゃう人やったんや」
「違っ･･･これは･･･」
長尾「大橋先輩も、結構余裕ないんや〜〜」
普段のニコニコ長尾くんから考えられないほどダークな姿に
戸惑いを隠せないでいるとスッといつもの表情に戻る
長尾「大丈夫ですよ、そんな顔しなくても誰にも言わないんで」
「うん･･･それは、ありがとう。だけど…先輩として恥ずかしい、、すみません」
長尾「へっ？笑 何で先輩が謝るん？」
「いや、だって…見苦しいものを、、」
そういうと一瞬驚いた顔をして「すぐ戻るんでちょっと待っといてください」と会議室を出て行ってしまう——
取り残されて呆然としていると
言葉通りにすぐ戻ってきた長尾くんは再び私の髪に触れて、今度はそのまま耳にかけた
「ちょ、長尾くん、」
長尾「ええからちょっと横向いて」
「えっ･･･？」
言われるがまま横を向くと首筋に冷たい感覚が走る
「へっ？！何？」
長尾「ほら、これなら見えへんよ」
「これ…湿布？」
長尾「寝違えたってことにしたらええかなって。」
「え……あ、ありがとう、、！」
あまりの神対応に思わず長尾くんの手を握っていた
長尾「･･･欲しくなっちゃった」
「えっ？」
長尾「なんて、」
そう言うと
にやりと悪い顔で笑った———
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作者名：fumi
| 作成日時：2022年5月14日 21時
