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長尾「A先輩〜！そろそろ戻ってきてくださいよ〜！」
ちょっとだけできあがってしまったのか、はたまたシラフでもそうなのか、テンション高めの長尾くん。
ちらっと視線を隣に移すと「おい、長尾やめーや」と止めに入る道枝くんの姿があった
長尾「みっちーやって先輩居らんくて寂しそうにしてるやんか〜」
道枝「ちょ、長尾ほんまにうるさい！！」
長尾「わぁ〜顔真っ赤っかやぁ〜笑」
「もう〜長尾くん何杯目なの？」
道枝「まだ２杯とかです」
「えっ？笑 それでこれ？笑」
道枝「はい。笑」
「コスパいいね笑」
楽しそうな長尾くんを横目にさっき和也から渡されたアルコールに手を伸ばそうとすると何処か違和感がありグラスをじっと見つめる
「(あれ？私まだひと口しか飲んで無かったような…)」
道枝「あのー･･･すみません、」
「えっ？」
道枝「あ、それ、貰っちゃいました。」
「ん？あ、これ？」
道枝「あ、はい。もしかして、先輩お酒苦手なんやないかなと思って･･･」
まさかの言葉に驚いていると、「あ、、！ただ飲んでなかっただけやったなら勝手にすみません！同じの頼むんで…！」慌てた道枝くんは物凄い早口で喋る
道枝「あっ、すみませ・・・」
次の瞬間、定員さんを呼ぶために手をあげようとした道枝くんの手を私は咄嗟に握っていた
道枝「っ･･･？！」
「大丈夫。いらないよ。」
道枝「あ、えっと、あの、、」
「あっ！ごめん、急にびっくりしたよね(笑)」
握った手をそっと離すと、
少しだけ沈黙になった——
「何で分かったの？私がお酒飲めないって」
道枝「いつもの！って大橋先輩言うてたのに、ひと口しか飲まへんかったから…好きならひと口目ってもっと飲むやろし、部長のとこ行っても水飲んでたんで…」
「わ〜すごい洞察力だ(笑)」
道枝「大橋先輩となら…飲むんですか？」
「うーん、和也はお酒好きだからさ。だから一緒のときは私も付き合って飲んだりするんだけど…本当は得意じゃないかな」
道枝「それ…大橋先輩は…」
「ああ！大丈夫、私が弱いのはちゃんと知ってるよ。私が潰れたとこ見たことあるし」
私がそう言うと道枝くんは何故か物凄く心配そうな表情でこちらを見ていた。
道枝「もう半分も俺が飲みます」
「だめ。道枝くんも、苦手でしょ？」
道枝「え、何で…」
「言ったでしょ？手に取るように道枝くんの気持ちが分かる時があるって———」
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作者名：fumi
| 作成日時：2022年5月14日 21時
