そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ2)

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『取り敢えず端に寄ろか？』

私の肩を支えるようにして立ち上がらせようとしてくれた彼はふと地面に何かを置いた

「･･･ああ！！私の靴！！！」

『へっ？！あ、これ君の？さっき急に飛んできてん！』

「と、飛んできた…？」

『せやで？ポーンって！靴飛ばしでもしてたん？』

「な訳、、、」

『冗談やって笑ヒール折れてしもたんかぁ。てかこれから何処行くん？俺これから･･･』

「はっ！！！仕事！これから初出社なんです！」

再び時計を見るとそろそろさすがにやばい時間になっていた。靴も見つかったことだし、もういっそもう片方のヒールもへし折ってぺたんこ靴にしてしまえば、、なんて考えていた矢先、急に彼は私の前に背を向けて屈んだ

「えっ･･･？」

『そんな足じゃ歩けんやろ！おぶってったるから！』

「いや、でも･･･」

『大丈夫！行き先分かっとるから！』

「え･･･なんで？」

『ええから！それは後で説明するから取り敢えず行くで！』

私を抱えて歩き出した彼は可愛い見た目とは裏腹にしっかりとした男の人の背中をしていて、これまた少しドキッとしてしまった。
しかし入社初日に何で私は初めて会った男の人におんぶされてるんだろう、、

そんな事を考えていたら彼の言う通り、私が向かいたかった会社に無事に到着していた。

「えっ待って待って、さすがに中は歩いていくんで、、！」

あっさりエントランスを抜け、そのまま受付を通り過ぎようとした彼に慌てて声を掛けたものの

『そんな足じゃ無理やろ〜？何階なん？』

「いや、ほんと皆見てますし恥ずかしいんで…」

『そんなん今更やろ笑で？何階？』

「･･･25階、です･･･」

『え？ホンマに？こんな事ってあるんや〜笑』

最後の言葉の意味が分からなかったけど
私は無事に？遅刻せず出社することが出来た。
そして、その言葉の意味が分かるのも
驚くほどにあっという間だった。

『おはようございます！！！本日からお世話になります、大橋和也です！宜しくお願いします！』

「へっ･･･？」

『(凄ない？こんな事あるんやなぁ？俺ら同期やで)』

「えええっ？！」

自分でもびっくりする程大きな声が出て、
それと同時に私はまだおんぶされたままだということに今更気付く

「ちょ！！待っ、下ろして下ろして！！」

『あ！すっかり忘れてたわ笑』

先輩達の視線が痛い…
そりゃそうだ、新入社員おんぶで登場って･･･

全っ然笑えない！！！

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