私を魔法少女と呼んでくれないのは、私がアラフィフだからですか？

♡魔法少女活動♡ ページ3

学校では熱心な教師にすぎない私だが、私にはもう一つの顔がある。それは、『A@魔法少女』としての顔だ。

アカウント名の通り、私は魔法少女として活動している。

魔法少女と言っても、何も魔法を使って物理的に戦うわけではない。
女性の権利を脅かす悪者(おとこ)と、オンライン上で口論をするのだ。私は主にツイッター上で活躍する魔法少女(ツイフェミ)だが、悪者(おとこ)と戦う魔法少女の中にはブログで自分の意見を発信するタイプの魔法少女も存在する。とにかく、魔法少女とは奥が深いものなのだ。

私が『A@魔法少女』であることは、同僚の誰にも教えていない。魔法少女は、人知れず悪(おとこ)と戦うのがお約束だ。魔法少女は、秘密の存在であってこその魔法少女だろう？

さぁて、今日も魔法少女(ツイフェミ)としてのお仕事、頑張りますか。

「あ、また智子さんツイートしてる。リツイート、っと。」

手始めに、TLに流れる魔法少女仲間のツイートをRTするところから私の魔法少女(ツイフェミ)としての仕事は始まる。
私たちは、互いにRTをしあうことでお互いがお互いの意見に賛同し合っていることを確かめると共に、私たちの意見をより多くの女性(ひと)に届けているのだ。
だいたいのツイートをRTし終わったら、次は、女性を蔑視するような発言をした芸能人がいないかどうか、検索をかける。

「ん？あの有名俳優が番組で『女なんだから』と言った…ですって！すぐに拡散して叩かなきゃ！」

「『〇〇さんはそんな人だと思っていませんでした、見損ないました😠〇〇さんはこの番組に相応しくありません💢事務所も抜けてください❗️
#女性の権利を守る会
#〇〇の番組降板を希望します
#〇〇の事務所脱退を希望します』…っと」

一分弱で一気に文を書き上げ、情報元のツイートにリプを送る。そして、そのリプを自分でRTする。私がRTした私のリプから、元の記事を知ってくれる人がいれば、より多くの人がこの事実を知ることができ、悪(おとこ)は成敗されるだろう。

程なくして私がRTした私のリプは、RT先でまた他の誰かにRTされ、どんどんと広がっていった。

結局、大炎上の末に、俳優は番組を降板、事務所を脱退することに。

「女性を軽んじるからそんなことになるんですよ…そんなんじゃ、正義(わたし)には勝てません。」

そう言って、私は一人、目を細めた。
これでまた一つ、女性が住みやすい国に近づいた。

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