前寮長はイカれたウサギでした３【ツイステ】 (ページ33)

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「ところで、もうすぐ期末テストですね」

部活が終わり後片付けをしていると、アズールがそんなことを言い出す。

「そういえばそうですな」

『テスト勉強が億劫になるねこの時期は』

「おや、なら僕がお手伝いしましょうか？

３年生の勉強は粗方できるので、必ずやお力添えできるかと」

アズールは笑顔でそう告げる。

それに対してイデアは「出た」と言わんばかりの顔でアズールを見て、Aはアズールと同じように笑っていた。

『それはイイネ！だがその心配は無用さ。

後輩に教えを請うほど、私は困っていないのでね。

……あぁ！別に君の能力を疑っているわけではないよ？』

「……そうですか。それは残念です。

気が変わったらいつでも仰ってくださいね」

アズールはそう言うと潔く諦めた様子で、そのまま寮へと帰っていった。

「……アズール氏の誘いをよく平然と断れますな」

『彼が何を欲しようと、私が彼に与えられるものなど何一つないからね。

そもそもの宛が外れてるのさ』

「たまに思うけど、A氏のそういうところ、たまに鳥肌が立つんですわ……」

イデアは「あーやだやだ」と言う。

『ウフフ、良い物はいくらあってもまだ足りない……これはまさしく真実さ。

貪欲なアズールくんは、これからきっと何か事を起こすのだろうね。

楽しみだ♪』

しかしAはこの時知らなかった。

まさか自分のお気に入り達が、自分の知らないところで危険な目に合うハメになることを。