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そんなことがあった翌日のこと。


昼食の時間になると、今日は生徒達が駆け足で食堂へ向かって行く。


その理由は、月に一度、麓の街から出張営業に来るベーカリーの販売目当てだろう。






「俺、チョコレートクロワッサン3つ!」

「やった、今月は買えた!ここの卵サンドマジ美味いんだ〜」


「卵サンド売り切れました!

デラックスメンチカツサンド、最後の1つでーす!」






人気のパンを奪い合う生徒たちで食堂は溢れていた。


そしてその中には、目当てのパンが手に入らずいじけている者も_____







「うっうっ、今日は(ふがふが)最低の(もぐもぐ)一日なんだゾ……

パンもろくにノドを通らねえんだゾ……」


『そう言う割には、あっという間に3つ平らげてるね』


「ふな”ぁ!?……ってA!驚かせるんじゃねーんだゾ!」






グリムは背後から話しかけてきたAに驚いた様子だった。







『ウフフ、私のお気に入りたちを見つけてはしゃいでしまったようだ。

ところで、グリムくんはどうしてそんなに落ち込んでいるんだい?

毛艶がいつもより良くないねぇ』

「実は……」






ユウが先ほどあったことをAに話した。






『ほぅ。グリムくんがデラックスメンチカツサンドとミニあんパンを交換し、今になって後悔していると……』


「オレ様は元々譲る気なんてなかったんだゾ!なのに勝手に身体が動いていつの間にか……」






グリムの言葉にAは一瞬間が空くが、すぐに笑顔で話し続けた。






『では君にこれを進呈しよう!私の食べかけのデラックスメンチカツサンドだ!』






そう言ってAは一口囓った後のあるデラックスメンチカツサンドを差し出した。






『あまりの人気具合に気になって買ったはいいものの、肉を食べられないことに気付いてどうしようかと思っていたところさ!

折角だから君が処分……ゴホンッ、美味しく食べてくれたまえ!』


「今”処分”ってはっきり言ったなこの人……」






ジト目でAを見る1年生たち。








『それでは私は、トレイの作り置きしているケーキでも食べに行くとするよ!

では!』







Aはそう言うと食堂を颯爽と出て行った。






「……まぁ、食えるだけマシなんだゾ。いっただきまーす!」

「お気楽なやつ;」

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抹茶タピオカ2号 - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2021年2月25日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
よる - とても面白かったです! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 13ad1f4f4d (このIDを非表示/違反報告)
ユイカ(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品とても面白くて大好きです!これからも更新楽しみにしているので頑張ってください。応援しています! (2021年2月24日 7時) (レス) id: b470749ec2 (このIDを非表示/違反報告)
もぐヤギ(プロフ) - 初コメ失礼します!!!前回の話も読ませていただきました、とても面白く主もいいキャラしてんなぁ〜などと思いながら楽しませて頂いておりますm(*_ _)m更新頑張って下さいませ……!!!陰ながら応援させて頂きます!!! (2021年2月24日 2時) (レス) id: f3a49dcc01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もぶピ | 作成日時:2021年2月24日 0時

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