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「……こんにちは」
その人物をジッと見ていると、向こうから声をかけられる。
「うひっ！？あっ、どうも……こんにちは〜ッス」
「……何か用？」
「あっ、いや用ってわけじゃなくて。ちょっと迷子になっちゃって……。
そのう、俺らのこと聞いてます？」
「……『Trickstar』の子だよね。
……たしか、えっと。ごめんね、名前は覚えてないけど」
「あぁ、まだちゃんとご挨拶したわけじゃないんで。
『Trickstar』の一員、衣更真緒です。今日から１週間、よろしくお願いしますね」
「衣更……？……そう、よろしくね。
……あっ、こっちも名乗る？」
石から手を離すことなく話しかけるその人物に、真緒は笑顔で対応する。
「いや、名前は存じ上げてますよ。
『Eden』および『Adam』のリーダー、乱凪砂さんですよね。
夢ノ咲学院の出身で、元『fine』の」
「……肩書きが鬱陶しいよね。
……凪砂でいいよ。単なる凪砂で。
……ひとは名前に、記号に縛られるけど。私、もっと自由になりたいな」
凪砂の言っていることがイマイチ理解できない真緒は、頭が混乱しかけていた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
