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「とまあ話を戻しますと、『Adam』に対しては普通に敬語で喋ったほうがいいですよ。
敵地ですしね。『Adam』はそこの親玉ですから、無礼に振る舞っていたら印象が良くありません。
まぁ、凪砂くんはそういうの気にしないと思いますけど。
実力は日和くんと並ぶ天才なのに、どうにも社会的なことに興味がないみたいで。
放っておくと日がな一日、よくわからないことを延々としているような掴み所のない子です。
日和くんは貴族っぽいけど、凪砂くんは動物っぽいというか。
いいえ、怪物っぽいんでしょうか」
青葉の話から推察する『Adam』の凪砂という男の存在に、息を呑む『Trickstar』。
「どちらかというと『fine』より『五奇人』に近いメンタリティの持ち主です。
人間社会の常識に従わないのに無意味に強いっていうか」
「へぇ、どんなひとなんだろ？『五奇人』っぽいなら仲良くなれそう、会うの楽しみ〜！」
楽観的な明星は、今の話を聞いて物怖じする様子もなくそう言う。
「今日が初顔合わせだから、俺たちはまだ喋ったこともないんだよね！」
「うん。『Adam』のなかでも、とくにその乱凪砂っていうひとは秘密主義っていうか……
信用に足る情報がほとんど公開されてなくて、よくわかんないんだよね。
インタビューとかでも、台本を読み上げてる感じだし、SNSとかも、誰かが代筆してる気がする……
感覚的な話で、確証があるわけじゃないけど」
「おいおい、あんまり本人に会う前から変な偏見を持つなよ。
そういえば、姉貴はどんな人か知ってるんだろ？
今回のライブも、なぜかアイドルでもない姉貴が名指しで呼ばれたんだから」
真緒がそう言えば、Aは憂鬱な表情を浮かべる。
『私……凪砂くんって、ちょっと苦手なんだよね』
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
