【あんスタ】貴方の愛を求めます５【朔間零】 (ページ30)

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今日は待ちに待った『サマーライブ』当日。

天候に恵まれ、ライブ名にそぐう晴天となった。

＿＿＿＿だというのに、観客席の一角では仄暗い空気感が出ている。それはさながら、そこだけが曇天のよう。

「ふふ。相変わらず自己主張が激しいねぇ、日和くんは。

それに比べて北斗は情けないね、自分が受け持つ台詞を口にするだけでいっぱいいっぱいって感じだ。

あれでも演劇部の、渉の肝煎りの愛弟子なのかな？

……あれほど、日和くんには喋らせるなと言ったのに。

放っておいたら『Eve』の独壇場になっちゃうよ？」

「独り言がおおいのう、天祥院くん♪」

「やぁ、朔間『先輩』。独り言が多いと、根暗っぽく見えちゃうかな」

『サマーライブ』を見に来ていた英智と零が鉢合わせし、流れで同席する形となってしまい現在に至る。

一度も目を合わせないまま話をしている様は、見ていて冷や冷やするものがある。

『どうでもいいけど、私を挟んでお喋りするぐらいなら後ろで立って話せば？』

「別に立って話すほどのことは何もないからこのままでいいんだよ。

それより、今日はオフだったのかい？

仕事着じゃない君を見るのは新鮮でいいね」

「そうかのう？我輩、いつも通りの制服なんじゃけど」

「君には言っていないよ」

「わかっておるわい、わざとじゃ」

Aは英智と零の間に座らされ、終始二人の地味な攻防を聞かされていた。