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あんずが衣装を作ると言い出し、羽風は満足げな顔を浮かべる。
『いいの?あんずちゃん……真緒たちの手伝いもあるのに』
「はい……だから、ひとりだと厳しいので、紫之くんの手を借りてもいいですか?」
あんずがそう言うと、羽風は「なるほどね」と頷きながら呟く。
「でも、駄目。何度も言うようだけど、俺は転校生ちゃんに作ってもらいたいわけ。
手伝いとはいえ、男が加わるのは容認できないし〜?
ま、女の子だったら話は別だったんだけど♪」
『後輩を困らせるようなこと言わないの』
「だって、衣装を実際に着るのは俺たちなんだよ?
こればっかりは、Aさんが何と言おうと譲れないなぁ〜」
Aと羽風が言い合いを始めると、紫之が間に割って入り羽風に向け頭をさげた。
「ぼく、一生懸命がんばります、努力します。だから、手伝わせてください!」
「ちょ、ちょっと頭まで下げられたら、俺が悪者みたいじゃん」
『みたいじゃなくて、実際そうなってるけどね』
「え〜……まぁ、無理を言ったのはこっちのほうだし?転校生ちゃんにまでお願いされて、駄々をこねるのも格好悪いしね〜
いいよ、衣装づくりは転校生ちゃんとそこのあんたに任せた」
丸く収まったと思いきや、羽風が再び口を開く。
「ただし、ひとつ条件がある。と言っても難しい話じゃないから安心してよ♪
俺からの条件は_____」
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年10月2日 23時