【あんスタ】貴方の愛を求めます４【朔間零】 (ページ29)

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蓮見とAの話を聞き、英智は口を開く。

「君たちの言い分はよくわかったよ。

でも、彼女は現時点で、夢ノ咲学院では唯一の『プロデューサー』だよ。

彼女が成長し、可能なことが増えれば、僕たちアイドル全員にとっての利益となる。

未来への投資さ。それに、彼女は何をやらかすか想像できないところがあって面白い……♪」

『その「面白い」が最大の理由でしょ』

「享楽的すぎる、度し難い」

Aと蓮見は英智を白い目で見ながらそう呟く。

『まぁでも、これも良い経験になるとは思うけど。

運転だって、一度遠出をしてみれば上達は早いと言うしね』

「A、君、免許を取っていたのかい？」

『卒業した後すぐにね。というか、そんな話はどうでもいいのよ』

話を逸らされまいと無理やり元に戻すA。

「ドリフェスの企画・運営は一大事業だ。今の時点ではあんずちゃんの手に余る。

彼女が持てるちからの全てを振り絞っても、まだ足りない。

僕たち生徒会や、教師たち、そして彼女を愛する夢ノ咲学院のみんなが最大限に協力しても……

成功するかどうかは、五分五分ってところかな。ううん。ドリフェスが、ごくふつうに開催されるかどうかすら怪しいね」

英智のその言葉にAの表情は強ばる。

『言ってろって感じ。そうやってあんずちゃんを舐めて痛い目を見て負けたこと、もう忘れたの？』

「耳が痛い話だね。まだ『DDD』のことは記憶に新しいぶん、その言葉は痛く刺さるよ」

『心にもないことを……

あんずちゃんが失敗して評価を落とすことが狙いなんだとしたら、私は講師の立場を超えて英智くんを殴り飛ばしてでもあんずちゃんを守るから』

Aはそう言うと生徒会室の扉を乱雑に閉め、あんずのもとへ戻って行った。

「ふふふ、ねぇ敬人。彼女の本気で怒った顔、朔間くんは見たことがあるのかな？」

英智のその発言には、さすがの蓮見も引き気味だった。