【あんスタ】貴方の愛を求めます３【朔間零】 (ページ10)

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「あれ？どうして君が持ってるのかな？

窃盗は重大な犯罪行為だよ？」

『この子が拾ったものを私が預かってただけよ？

ね？忍くん♪」

「はいっ！拙者、決して盗みなどは働いておりませぬ！

たまたま廊下で生徒会長殿と擦れ違った際に落っこちたものを拝借し、講師である衣更先生殿に渡したまで！

任務は完遂でござるっ☆」

『いい子いい子……♪』

英智は表情を一切変えずにAをジッと見つめる。

「なるほどね……でも考えなかったのかい？

僕が他にもその写真のデータを残してるってことを」

『そんなこと、考えなかったよ』

「へぇ……どうしてだい？」

『そこまで落ちぶれちゃいないでしょ？

こんな手法で、優秀なアイドルを一人失うのは、英智くんの理念に反してるもの。

いつでももみ消せるように、自分でずっと持っていたことが何よりの証拠よ』

Aがそう言うと、英智の笑顔が消える。

「君はその甘さが僕みたいなやつにつけ込まれる要因だよ。

僕が手段を選ばない男だということは知ってるよね？」

『えぇ。理想のために一心になれる人ってことは、よく知ってるわ』

「……」

しばらく無言で見つめ合った後、英智は小さく微笑んだ。

「「逃した魚はでかい」……彼が言っていたことが、ようやく理解できた気がするな。

わかったよ。これに関しては僕の負けだ。

君の裏切り行為に関しては、ね。

けれど、この『DDD』は僕たち『fine』が勝利を掴ませてもらう。

あとは、君の好きなようにしなさい」

『皇帝陛下のお心遣い、感謝いたします』

Aはそう言うと、勝ち誇ったような笑みを浮かべながらその場を立ち去って行った。