【あんスタ】貴方の愛を求めます３【朔間零】 (ページ7)

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その頃、英智と北斗はステージの近くで対決が始まるのを待ちながら話をしていた。

北斗は未だに『Trickstar』を抜け、明星たちを裏切ってしまったことに対する後悔が頭の中を巡っていた。

「浮かない顔をしているね、北斗」

「……生徒会長。こんなところで油を売っていていいんですか。

もう、演目が始まる時間でしょう。俺なんかに、構っている暇はないはずですが？」

「ふふ、つれないことを言うものでもないよ、緒戦から僕が出陣するまでもないだろう。

僕は生まれつき病弱でね、手を抜くべきときに抜く作法を心得ている。

君も気負いすぎずに、のんびりと構えていればいいんだよ？」

英智がそう言うも、北斗の顔は一切晴れない。

「君はまだ、仲間を裏切ったことに罪悪感があるようだけど、忘れなさい。

君も、よくご存知だと思うけど、裏切りや陰謀なんてものは、芸能界では日常茶飯事だからね。

いちいち気に病んでいては、身が持たないよ？

僕は何も好き好んで、役立たずを手元に引き込んだわけじゃない。

君の価値を、才能を最大限に活かせるのは僕であり『fine』だと、確信したからだよ。

北斗。それでも気持ちが鬱屈するようなら、僕を恨めばいい。

僕に騙され、あくどい手段で無理やりに運命をねじ曲げられた。そう、解釈すればいいよ。

愛と憎悪は相反する。けれど人間がもつ最も強い感情だからね」

天使のような声の悪魔の囁きが北斗の頭に響く。

そんな時、頭を強く打つような声が響く。