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｢えー。なんで俺が兄者なんかのために俺が作ったお菓子をあげなきゃいけないの？｣
『そこをなんとかお願いできない？
りっちゃんの作ったお菓子はこの学院の名物になったし、外部のお客さんもきっと喜んでくれると思うの』
零からの頼み事だと知った凛月は急に態度を渋らせAを困らせる。
｢ふうん。『UNDEAD』は｢執事喫茶｣やるんだ。
たしか、かおくんがそんなこと言ってた気がするけど｣
｢アドニスちゃんたちの執事服姿、きっとよく似合うでしょうね〜｣
｢なるほど、ゆえに提供するSweetsが必要なのですね｣
『えぇ……』
Aは困ったように凛月を見つめるが、凛月は間接的とはいえ、零からの頼み事というのが気に食わないようで、先程からむくれている。
『りっちゃん、どうしてもダメ？』
｢敵に塩を送るようなものだしねぇ。
ていうか、別に俺の作ったやつじゃなくても良いんじゃないの？
兄者ならその辺のツテくらいあるでしょ？｣
『だって、りっちゃんの作るお菓子、食べたかったから……』
｢しゅん…｣という効果音がつきそうな顔でそう言えば、凛月も瞬時に絆されてしまう。
｢言ってくれればいつだって作ってあげるのに｣
『りっちゃんがお菓子づくり得意だなんて知らなかったから』
｢ふふ……仕方ないなぁお姉ちゃんは。
いいよ、毒気も抜かれちゃったし、俺のでよければあげる｣
そう言えばAは嬉しそうに笑みを浮かべ喜ぶ。
『ほんと？ありがとう、りっちゃん！』
｢そうだ、ちょうどこれからお菓子をつくるんだ。
食べてってよ。とびっきりのスイーツを作ってあげる。
お姉ちゃんのためにね……♪｣
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2022年9月14日 1時
