【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ30)

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保健室を出て零のもとへ戻ろうと急ぎ足で向かっていたところ、綺麗な長い髪を揺らしながらこちらを見ている人物と目があった。

足を止めてしまうと、その人物はにっこりと笑みを浮かべAに向け丁寧にお辞儀をした。

「初めまして、零の幼なじみさん。

お目にかかれて光栄ですよ♪」

『日々樹、渉くん……ですよね？』

「はい！あなたの日々樹渉です！お近づきの印に、どうぞ、お花です♪」

日々樹の手から一輪の綺麗な花が出てきて、Aは唖然としながらもその花を受け取ってしまう。

『どうも……』

「ンフフ、零とは仲直りできたようですね』

『え？』

驚いているAの顔を見て、日々樹は笑みを浮かべる。

「零ってばあなたと会えなくてストレスを感じていたようで、

もう耳にタコができてしまう勢いであなたの名前を連呼していたんですよ～？」

『そ、そうなんですか……？』

苦笑いを浮かべながらその状況を想像し呆れるA。

すると、痺れを切らして探しに来た零が慌てて駆け寄ってきた。

「おいコラ渉、なに俺のA誑かしてんだよ」

『誰が零ちゃんのよ』

「おっと、おっかない魔王様が来てしまいましたね。

あなたも大変ですねぇ～どうです？次は私とお付き合いしてみませんか？

毎日驚きと笑顔の絶えない日々を送れますよぉ～？」

『へ？』

「ぜーーーったい許さねぇからな！」

零はそう言って日々樹からAを引き剥がす。

「おや、残念ですねぇ」

「二度とこいつから目を離さねえって決めたばっかなんだよ。

ほら、おまえはとっとと行きやがれ。明日出るんだろ？ドリフェス」

「ンフフ、そうでしたね。では私の役割を確認してきましょう。

またお会いしましょう！その時は私とデートでもしましょうね、衣更Aさん♪」

そう言うと日々樹は瞬きをした一瞬で姿を消してしまった。