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Aが天祥院と付き合いだしてしばらく経った。
あの日以来、零とAは学内で二人で話すことがなくなった。
その理由は、零の留学だったり、天祥院が常に傍にいることが原因だろう。
確実にAと零の間には溝が生まれていた。
そんな時、夢ノ咲学院では天祥院の目論見により、学院で最も優れた者たち5名が学院の代表として祭り上げられていた。
それが_______「五奇人」と呼ばれる者達だ。
「格好いいよな〜五奇人!」
「憧れちゃうよな〜!だけど僕にはあんなライブ、絶対に無理だぁ……」
五奇人メンバーは、1年生の逆先夏目、2年生の斎宮宗、深海奏汰、日々樹渉、そして朔間零で構成されている。
学院の頂点に立つアイドルとして、尊敬の眼差しで見る者がいれば、そうでない者もいた。
「なにが五奇人だよ。ごり押しされてるだけじゃねぇか。
俺らのチャンス、あいつらに奪われてんだぜ?」
不満の声も廊下を歩けば嫌でも耳に入る。
それは他の科にいる者たちも同様だった。
「五奇人の人たちってカッコイイよね〜
1人1人のライブの完成度がすっごいし!」
「ねぇ衣更さんもそう思わない?」
『うん、そうだね。五人とも、素敵なアイドルだと思うよ』
本心だった。なぜなら、五奇人のうち1人は、Aが天祥院に言われて推薦したからだ。
それは言わずもがな、零のことだった。
しかし、それが後に後悔する展開になるとは、思いもしなかった。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月1日 21時