59…T ページ10
「ママ、綺麗だったよね。でも違うよ。ちゃんとママから愛されてたから結婚したんだよ。それに、Aちゃんと出逢えたからだよ。」
「私……？普通、子どもがいたら邪魔なんじゃないの？」
「そんな訳ないでしょっ。パパはね、Aちゃんのパパになって幸せにしてあげたいって思ったんだよ。」
「なに、それ………」
そう小さく呟いたAちゃんは、ダイニングテーブルに顔を伏せてしまった。
「本当だよ、Aちゃん。」
手を伸ばしてAちゃんの頭を撫でていると、鼻を啜る音が聞こえだした。
え、泣いてる？
ママのこと思い出しちゃった？
「Aちゃん？」
泣いてしまった理由がわからなくて、Aちゃんの隣の椅子に移動してゆっくり背中を撫でてあげた。
「Aちゃん、どした？久々にママの話して、寂しくなっちゃった？」
「……違うよ……パパのせいだもん……うぅ……」
「え、えっ……パパ！？」
全然わからないんだけど、俺のせいなの？
こんな風に大きくなってから泣かれたことがなかったから、正直どうしていいか分からなくて焦ってしまう。
「ちょっと、Aちゃん？どしたのさ、もー。あーじゃあ、抱っこする？」
小学生の子どもじゃないのに、テンパった俺は抱っこしてあやそうとしたらしい。
もう、なに言ってんだ？
どうしよう。
「あっ、美味しいパンケーキ作ってあげようか？」
「………抱っこがいい……」
「え。」
………え、抱っこ？
なに言ってんだとか思ってたんだけど、それ本気で言ってるの？
「い、いいよ。おいで？」
背中を撫でるのをやめて軽く両手を広げると、Aちゃんは伏せていた顔を俺の胸に寄せてぎゅっと抱きついてきた。
なんだろ。
めちゃくちゃ懐かしいなぁ……
フフフっ。
大きくなってもAちゃんの抱きつき方は変わらないんだね。
「どうしたの？なにかパパ、余計なこと言っちゃった？」
「ずっとパパがいてくれたから幸せだったよ、私。」
「そっか、よかった。そう言ってくれてありがとう、Aちゃん。」
「でもパパは？結婚してから、ママはパパを幸せにしてくれた？」
「……パパも幸せだったよ？」
「それは、ママがくれた幸せ？」
顔をあげたAちゃんの大きな瞳からは、ポロポロと涙が落ちていた。
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にかみつば(プロフ) - ゆいさん» 初めまして。読んで下さりありがとうございます！この作者の作品を全表示を見るとでてきます。あとはR18指定なので年齢が引っかかってる場合もあるのかもしれません。 (2021年1月4日 18時) (
レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - かなこさん» はじめまして！コメントありがとうございます☆癒しだったなんて、嬉しすぎます！いつも読んでくださってありがとうございました！ (2020年11月14日 23時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - はじめまして。毎日この作品を見るのがわたしの癒しになってました！パパな裕太くん最高でした！幼い頃の話、楽しみにしてます。 (2020年11月14日 23時) (レス) id: ea3b09b98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年10月16日 22時
