・お見合い ページ5
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早く本当のことを伝えて謝らなきゃと思うのに、真実を言えないまま3度目のデートに誘われた。
「真凜ちゃーん。久しぶりー。元気してた?」
「うん。裕太くんは?最近はお仕事忙しそうだけど、大丈夫?」
「時期的に忙しくて死にそうだよー。でも真凜ちゃんのお陰で頑張れてるよ。」
「……そっか、それならよかった……。」
初めてデートをした日、真凜さんから真凜ちゃんへと呼び名が変わった。
それは親しくなってる証だけれど、真凜と呼ばれる度に傷ついている自分がいる。
デートを重ねるうちに、私は完全に裕太くんを好きになってしまったんだと自覚した。
会えて嬉しいのに、切なくて。
好きなのに、罪悪感でいっぱいで。
どうしていいのかわからず、顔が引き攣っていたと思う。
その日は一緒に映画館へ行って裕太くんオススメの映画を見て、その後はお酒を飲みながらゆっくり食事をして、のんびりとしたデートを楽しんだ。
その帰り道、突然、裕太くんが立ち止まった。
「裕太くん?どうかしたの?」
「ねえ、真凜ちゃん。もっと一緒にいたいんだけど、帰さないとダメ?」
「えっ……。」
「これからうちに来ない?明日はお互いお休みだしさ、朝まで一緒にいたいなーって。」
「えっと……。」
裕太くんから初めて自宅へと誘われ、胸がドクンと音を立てたのがわかる。
正直、嬉しかった。
私も……帰りたくない、このまま裕太くんと一緒にいたいって思った。
だけど私は裕太くんのお家へは行けない。
だって私は真凜じゃないから。
もうこの関係も限界なのかもしれない。
「ゆ、たくん……。」
「えっ、真凜ちゃん!?待って待って、どうしたの?泣かないで。」
「ごめんなさいっ。」
これ以上、嘘をつき続けるのが辛くて、ポロポロと涙が零れ落ちてしまう。
「ごめんなさい。私、本当は……真凜じゃないんですっ。」
泣きながらだけれど、裕太くんの目を見て心からの謝罪をした。
「真凜は私の妹なんですっ。こんな詐欺みたいな騙す真似をして、本当にごめんなさい!」
私の言葉を聞いている裕太くんは黙ったままで。
この永遠にも感じられる沈黙が怖くて、ふざけんなよって言われた方が何倍もマシだなんて思った。
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にかみつば(プロフ) - 好きさん» コメントありがとうございます☺️私も北山くんの彼女になりたいですー✨どうしたらなれますかねぇ😭 (2022年3月14日 22時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
好き - 正隆の彼女になってみたい みっくんの彼女になってみたい 全部なってみたい (2022年3月5日 4時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年11月23日 15時