十五話 ページ22
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銃弾は出ていなかった
「…セーフね」
ぽつりと、状況を確認するように呟いた
ガチャ
鍵の開いた音がした
その瞬間
ガシャン
銃が手から叩き落とされた
龍君が、私を睨んでいた
怒っているようだった
「…何で
龍君が怒ってるの」
小さく云うと、龍君は目を見開いた
パンッ
頬に衝撃がきた
完全な不意打ちに、私は少しよろめいて尻餅を着いた
あぁ、私は今龍君に叩かれたのか
ヒリヒリと痛む右頬を押さえながら、やっと状況を理解した
そして、龍君は私の胸倉を掴み私の目線を龍君の目線と合わせた
少し息が苦しかった
芥「…何故僕が貴様を叩いたか、判るか」
「…判んないよ
私にとっては、これが最適解だった
だから実行した
ただそれだけだよ」
龍君が手を振りかぶった
私は、龍君の顔を見て、小さく呟いた
「__何で、そんな辛そうな顔するの」
ペチッ
龍君の手は私の頬に触れただけだった
龍君は私をじっと睨んでいた
黒い瞳には怒りが宿っていた
でも、別の感情もあるように見えた
私にはそれが何なのか判らなかった
芥「何故、一人で決める
何故、自分が死ぬような事を平気でする
何故、僕を頼らない
答えろ」
龍君が私の胸倉を掴む手を少し上にやったせいで、首が少し絞まった
「…私は、死んでもいい」
芥「!」
「でも、龍君とか、皆が死ぬのは嫌だよ
私が危険な事をすれば、皆が危ない目に遭わないのなら、私は死んでもいい
私は、私の命なんかよりもずっとずっと皆の命が大切なの
皆の命を守れれば、私はもう何も要らない」
確りと龍君の目を見て云った
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薊(プロフ) - あ… 済みません 間違いです 忘れてました 夜までには全部直しておきます コメントありがとうございます! (2019年6月24日 7時) (レス) id: 449bdc9a82 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - すみません!芥川君の呼び方が、龍君から芥川君には戻っているのですが、これは間違いでしょうか? (2019年6月24日 1時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薊 | 作成日時:2019年1月30日 19時