【文スト】君とは? (ページ10)

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少年と少年8 ページ10

敦「ところで、太宰さん。」
太宰「何だい?」

敦「虎は本当に出ｒ(勇貴「出るよ。」え?」

先程迄、宿題にしていた勇貴が太宰への質問を遮った。

勇貴「虎は基本的に夜行性だが、それは薄明薄暮時に活動するだけであって、主に昼間に活動する。」

淡々と虎の生態について語る勇貴。
それを静かに見守る太宰。

勇貴「君の見た虎はすべて真夜中だった。真夜中に活動しようが虎の勝手だけどね。君が来た時、そして君が虎を目撃した時、虎は君のすぐ真後ろにいた。普通はそこで、現世バイバイ、治兄さん行きたい処Ｎｏ．1黄泉の国こんにちはだよ!?。あと、ついでに虎は猫科の中で1番大きい肉食動物だから、君んとこの孤児院の大根じゃ腹は膨れないし、そもそも食べないよ。」
　 ↑長文ノンブレス乙

「ここ迄、考えれば誰でも自ずと答えが見えてくる。
　君は異能を知っているかい?
　異能はね、それを所持している者に見えない傷を負わし、同時に幸を与える表裏一体だ。
　巨万の富を得た者もいれば、逆に制御しきれずその身を滅ぼした者もいる。
　今宵は綺麗な満月だ。
　虎の正体を暴き、狩るのに最適な月だ。
　

　そう思いませんか? なぁ、治兄さん…」

敦「ゆ、勇貴、何を言って…(太宰「彼の言うとおりだ、敦くん。」太宰さん?」

太宰「おそらく、孤児院の人達は正体を知っていた。君以外はね。」

勇貴「考えてみ。孤児院の経営が傾いたから、君1人を追い出すか? そんなんだったら、生き残り競争真っ只中の経営者達は存在すらしないだろうな。大昔の農村の飢饉じゃあるまいし。」

太宰「そう。そして、先程の勇貴くんの説明通り、異能が制御しきれずその身を滅ぼした者もいる。」

廃倉庫の中に、月光が敦の目に強く映る。
そして、勇貴が言った通りに綺麗な満月が浮かんでいた。
それを目に映すと、敦が途端に苦しみだした。

勇貴「そう、君も異能力者なんだ、敦。」
太宰「その現し身に飢獣を降ろす…」

月下の異能力者

敦が一般的な虎よりも一回り大きい白虎に変身する。
虎の気性は荒い。
二人を認識した途端、襲いかかる。

バキッ

二人のいた木の箱が虎の強烈なパンチによって破壊される。

勇貴「うっひゃ～、此れまだ小虎とかだったら、猫パンチとか言って可愛げがあるんだよな～www」
太宰「そんな呑気なこと言ってる場合かい!?」

思わず、突っ込む太宰。
しかし、虎は追撃する。