明かされる ページ21
「神谷さん。教えてください」
Aの真剣な目に見据えられて、思わず言葉に詰まってしまう
出来ることなら言いたくない
誤魔化せる方法があるのなら……
と、目線をどーやんに移して諦めた
手塚を羽交い締めにしたままの格好の彼は、さっきのAに慌てた手塚を止めようと格闘してくれてたようだ
「どーやんさん。ありがとうございます」
「いえ」
カナミさんに一目惚れからの身辺調査的行為 という容疑を被ってもらおうかとも思ったが
これ以上の迷惑はかけられない
「手塚さんも、大丈夫ですから」
「ほ、ホントに？」
「Aも少し落ち着きましたし、一度情報を整理させてください」
奪い取った資料に目を向ける
PTSDを起こしかねない彼女に、これをどうして伝えたものか
一通り目を通したところでAをこちらに呼び寄せた
「少しあなたがあれを思い出すかもしれないので、俺のとなりに座ってください。辛くなったら無理しない。いい？A、守れる？」
唇を噛み締めて俺を見た彼女が、神妙に頷いたのを確認した
「あの、俺たち外そうか？」
手塚の声に目を向ける
ふたりの方が彼女に集中できる
「すみませんが…………」
ひとつ頷いて、連れ立って出ていく二人を見送った
、
、
「邪魔者は居なくなりましたね」
「…………はい」
この返答を見る限り、Aは相当余裕がない
いつもなら"そんなこと言っちゃダメですよ！"とか、"手塚さんいい人じゃないですか"とか何かしらの説教をしてくるはずだ
「手、繋ぐ？」
「え？なんで………」
弱々しい目が俺を見つめる
普段なかなかひとを頼らない彼女の、この姿を見るのは俺だけでいい
「俺の手、落ち着くって言ってたよね」
「うん…………。言った…………」
胸元で握っていた彼女の手を、そっと取って握り込んだ
柔らかい彼女の手は未だに小刻みに震えている
「カナミさんは、姉なんです。あの男の血縁です」
きゅっと唇を噛みしめつつも、Aは無言で聞いていた
「注射針や味噌汁に毒物があった事件は、未遂ではあるものの 念のため容疑者を洗ってました」
Aが手に力を込めた
もう、痛みは感じない
それほど俺は回復した
「あなたが見たあのメモは、別の事件で使われた文面なんです。その事件の関係者を探していたら、たまたまカナミさんが当てはまった」
Aは無言で聞いていた
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
