重なる想い ページ47
「神谷〰️戻ったぞ」
水城さんが名字Aを連れて戻ってきた
事情聴取が終わったようだ
何故か普段より表情が固い水城さん
何か問題でもあったのだろうか
「お疲れ様です」
「！……………神谷さん」
微笑みを湛えた彼女の瞳にじわりと涙がにじんだ
不味いな
手塚とどーやんが居るのを失念していた
「すみませんが、ふたりにしてもらえますか」
面倒だが、仕方ない
これからの名字Aの姿は、別の男には見せたくない
「なになにィ？かみやんも始めちゃう系！？」
そんなわけあるかと思いながらも、言わない方がスムーズだ
「これから引くほどいちゃつくので、野暮なことはしないで下さい」
「でもなァ、神谷…………」
「手塚さん、頼みます」
「顎で俺を指すのやめてくれない！？」
珍しく水城さんが食い下がるのは気になるが、お節介な手塚にお任せした
「はいはい！いいから行きますよ〰️。ほら、どーやんも気ィ利かせて！」
3人が去っていったのを確認して、名字Aに目を向けた
ぽろぽろと涙を溢している彼女を見て 確信する
俺の暗示は成功した
「もういいですよ。こっちに来て」
泣きながら近づく彼女を抱きしめる
「俺の言ったことをちゃんと守ってくれたんですね」
「…………はい」
「偉かったですね、Aさん」
「うぅ〰️…………」
髪をすくように撫でてやると、ぐしっと胸元に顔を押し付けてきた
彼女は自己暗示に掛かりやすい
仕事スイッチ程度は個性のレベルだが、PTSDから逃げようと獲得した 変なスイッチは危険だ
すぐに戻れれば問題ないが、戻れなくなったらが心配だった
彼女が自力で戻ってきたのを、俺は一度も見たことがない
「では、さっき言っておいたようにしてくれていいですよ。好きなだけ泣いてしまってください」
その言葉を皮切りに、子供のように泣き出す彼女
ここまで効いてくれるとは期待していなかった分、意外と暗示が効いていたことにほっとした
これならまもなく戻ってこれる
「落ち着きましたか」
「はい」
頬に残る涙を拭って口付けた
暖かくて、柔らかい頬
数度口付けても足りる気はしない
「なら、辛かったこと、全部話して。今日のこと以外でもいいから」
目元を赤くした彼女が俺を見上げる
頼りない、その弱々しい姿に
口付けたい衝動は必死で耐えた
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はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年8月31日 9時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「大を占めるが」ではなく、「大部分を占めるが」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ベッドの上での再開」ではなく、「ベッドの上での再会」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - ななみさん» ななみさん 応援コメントありがとうございます！うれしいです！更新続けられるようにがんばりますね(^^) (2019年8月28日 11時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - はむさん！頑張ってください！ 応援しています！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: 3f5cfa4750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年8月22日 23時
