狂犬の花嫁【今日から俺は】

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「すごいな。相良。初日から手を出そうとするとは…………本当にてめえらしいな」


「………………据え膳出されて 手ぇ出さねえ方が失礼だろ」


「泣かれてンじゃねぇか」


「うっせぇ！」





研究室でゲラゲラ笑っているサトシにコーヒーをぶっかけ

俺はまたデスクに突っ伏した




「…………俺は………………よ…………」


「？なんだ相良…………」


「俺は頼まれることはあっても 拒まれたことは初めてだっつってンだよ！！」



そっと肩に手を置かれる


見上げたサトシのなんとも言えねえにやけた顔に


脛を激しく蹴りあげた








ったくよォ…………

どいつもこいつも腹立つぜ




ソファーで寝たから体は痛ぇし

別の女で憂さ晴らすにも あの陰気くせぇ家に帰らねぇといけねえしなぁ



慣れない敬語も

紳士面も



もういい加減 限界だ




これを３ヶ月も続けるとか…………明らかにもう修行だろ


俺は僧にでもなるのか





………………誰がなるか！クソが！！





ため息をひとつ

顔を上げる



「もうやめだ。俺ぁ降りる。…………サトシ、お前ぇも転職先でも探しとけよ」


「えぇ〰️〰️何言っちゃってるの！？ちょお困るんですけどー！」




このうるせぇ癇に障る声は見なくても誰かわかるな
この俺のイライラの諸悪の根元めがよォ…………




「おう、アホ社長か」


「相良くんさぁ、キミ辞める気になった途端ロコツぅ〰️。あのねぇ、数十社も落ちてたキミ拾ったの私よ？ちょっとは恩に感じてもいいんじゃな〰️い？」


「俺は必要ねえことはしない主義なんで」


何しに来たかは知らねぇが、俺の城に入ってきやがったアホを一瞥した

もうここを身限るんならヘコヘコへつらう必要もねぇ


数十社も落ちたと言われてはいるが
今なら俺ぁ黒髪だ

社会人らしけりゃあ俺を欲しがるところは五万と居るんだよ




ここに居たのはポリシーの銀髪を守るためだ


それが崩れちまった以上は ここに操立てする必要もねぇ

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