狂犬の花嫁【今日から俺は】

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「どうだった、相良。お見合いは」




見合いの日から数日後

のんきな顔でへらへらしながら 研究室までサトシが来た




「どうだじゃねぇわ…………クソ真面目な女の相手させられて相当疲れたんだぞ
………………おいサトシぃ、お前ぇ頑張った俺のために一発ぶん殴られてみろよ」



「なに言ってんだ、気が早すぎだぞ。今日からそのクソ真面目と住むんだから、てめえのその貴重な一発はその後のイライラのためにとっとけ」



「うっせぇ！その度にサンドバッグ係で来るくれぇの男気見せろォ……………誰のために身代わったと思ってやがる！」



「………………自分で作った借りのためだろ」




拳を避けられて怒りがピークに達した俺は

熱々のコーヒーをぶっかけてやった








「…………にしても、てめえ女なら誰でも変わらねぇとか言ってたじゃねぇか」


コーヒーの掛かった腕をふーふーしているサトシを見やる


「あの女は今まで俺の回りにいたのとはどうも違うみてぇなんだよ…………
　見合いの時だってニコリともしなかったくせに断りいれる訳でもねぇんだ…………なんか企んでんじゃねーかと思ってよォ…………」



「…………緊張してただけだろ」



「だといいがなァ………………」





何故か影のあるあの女を思い出す

写真の方が 笑顔だったこともあってまだ華があった

つーか社長令嬢ならたんまり甘やかされて もっとこう、ふわふわしたような世間知らずな感じが出ても良さそうなもんだがなぁ…………

あの陰鬱そうな表情には甘えの欠片も感じられねぇ




………………もしかして偽物なんじゃねぇか





アホ社長に社運がどうこう言われたからじゃあねえが、この俺がのうのうと騙されてやるのも腹が立つ

これは、しばらく気ぃ引き締めなきゃあなんねぇなァ………………






にしても…………顔はまぁ、かわいかったのにな

勿体ねぇ女だ

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