ひみつな恋 ⑥ (ページ2)

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「図々しく聞いてごめんね。気にしないで？」

「あ、違うんですっ。ただ、言っていいのかわからなくて……。あの実は、太ちゃんたちのグループの人とお付き合いしていて……それで太ちゃんとは知り合いました。」

「え、そうだったの！？私、誰にも言わないから心配しないでね？」

「ふふっ、はい。私、紫さんのこと疑ったりしてないですよ。」

「あ、そっか、ありがとう。」

紫さんは優しく微笑んでいたけれど、一瞬切なそうな表情をしていた。

「Aちゃんはその人と恋愛してて、今……幸せ？」

「え、はい。とても幸せです……って、なんだか恥ずかしいです。」

「ふふっ。顔見てると本当に幸せそうなのがわかるわっ。」

「えっ、そうですか？恥ずかしい。」

「きっとAちゃんは、心が綺麗なのね。」

「え……？紫さん？」

紫さんの言っている言葉がうまく理解できなくて、少し戸惑ってしまった。

紫さんだって親切で優しくて、綺麗な心を持った人だって私にもわかる。

でも紫さんの言い方は、私はそうじゃないって言ってるように聞こえてしまった。

「私は、ダメだったの。信じきれなくて……。」

「紫さん……」

そう言った紫さんの声はひどく悲しそうだったけれど、すぐに笑顔になって明るい声をだした。

「やだもう、私ったら。急にごめんね？ついAちゃんには話しちゃった！」

「あの、紫さん。もし悩んでることとか私が力になれることとかあったらなんでも言ってくださいね！」

「Aちゃん、ありがとう。今まで誰にも言えなかったから、凄く嬉しい。」

話している途中お客様が来たこともあって、紫さんとは連絡先を交換して、今度会う約束をしてからお別れした。

もしかしたら紫さんも、太ちゃんと秘密な恋愛をしていたのかもしれないと思った。

やっぱり、芸能人や宏くんたちみたいなアイドルとの恋愛は障害が多過ぎて難しいのかなぁ……

今はうまくいってるけれど、いつかそんな日が来てしまうなんて考えたくない。