3話 ページ3
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どれだけ憂鬱な土砂降りの日でも、肌寒くて布団から出られない日でも、変わらず推しがパトロールしていると思うと愚図っていられないと思う。
Aの１日は推し柄の布団を跳ね除けるところから始まる。推しパワーも相俟って包容力MAXの寝具から抜け出すのは容易ではないが、何とか起き上がってサイドテーブル上のスマホを手に取る。
プライベート用のそのロック画面は、もちろん推しだ。
充電器から仕事用のスマホも手に取って、新しいメールが入っていないか確認しながら寝室を出てリビングに向かう。
ちなみにスリッパも推しだ。当たり前だろ。
スマホを置いてケトルのスイッチを入れる。お湯が沸くのを待つ間、洗面所で洗顔をして頭を覚醒させた。ヘアバンドも推しのグッズだ。装着するとサングラスの部分がおでこに来るようになっていて、さながらひと仕事終えたあとの推しのようである。
……いや、おれは推しになりたいわけじゃないんだけど、お母さんが送ってくれたものだから使ってるだけで。
リビングに戻り、ちょうど沸騰した湯をマグカップに注いでテレビ前のローテーブルに置く。このマグカップも以下略。
顔の筋肉を解す合間に白湯を啜り、内側から身体を温めながら朝のニュース番組を垂れ流す。
不動のナンバーワンもそうだが、事件の対応にあたるヒーローがリアルタイムに映ることはほとんどない。犯罪はアポを取って行われているものではないので。事件発生を聞きつけ、駆けつけたカメラが映すのは大抵が事後処理にあたるサイドキックの姿だった。
速すぎる男の異名を持つAの推しもまた、その内に入る。
しかし、僅かでも希望があるのならそれに縋る他は無いのもまた事実。
なぜなら推しの活動地域は九州で、Aの生活圏は都内であるからだ。推し事を初めてからAは本気で引越しを考えた。なお、当時12歳の子供にできることは母に訴えることだけだったが。それも軽くあしらわれた。
だが、今のAは16歳。自分でお金を稼ぐこともできるし、一人暮らしだってこうしてやれている。もう少し仕事が落ち着けば移住することだって夢じゃないのだ。仕事が落ち着けば。
仕事がなあ………………Aはため息を飲み込んだ。
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蒼月(プロフ) - ホークスがなんで腕時計つけてるのか気になりすぎてやばいです!!良ければ短編でもいいので、厳しいかもしれませんがホークスとの絡み等の続き待ってます（; ;） (2022年10月17日 22時) (
レス) @page30 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - るぽたさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ないです;; オタクは皆同じということですかね！！(?) 止まり気味ですが気長にお待ちいただければ幸いです！ (2022年3月16日 23時) (レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
るぽた(プロフ) - 凄く共感できるところが沢山あってニコニコしながら拝読させて頂きました……とても面白いです(*'▽'*)応援しております！！ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 794a8648aa (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - えどさん» コメントありがとうございます！更新が止まっていて申し訳ないです…気長にお待ちいただけると幸いです;; (2022年1月28日 22時) (レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 更新楽しみにしてます♪。.:＊・゜♪。.:＊・゜ (2022年1月26日 9時) (レス) id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2021年12月3日 22時
