満点星 (ページ38)

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あんな涼太の姿は初めて見た

苦しそうにもがいてる涼太

頭から離れない

今日はオフだから涼太の所に行こうとしても中々動くことができない

それでも行かないとと思い着いたのが夜になってしまった

面会時間終了1時間前だ

昨日の今日だから緊張してしまう

｢…涼太｣

dt｢翔太…？｣

涼太は外を見つめていた

｢来るの遅くなってごめん…｣

dt｢来てくれたんだ…

ありがとう｣

涼太はマスクは外れていたものの、代わりに酸素カニューレを付けていた

｢まだそれ外せないんだな｣

dt｢……これから会う時はずっとこれ付けておかないとなんだ｣

｢は？なんで？｣

dt｢……肺に転移してた｣

｢…………え？｣

dt｢癌の細胞が肺に来ちゃったみたいでね、肺の機能が著しく落ちているんだって

これから生活する上でこの酸素は外せないんだ｣

肺に転移

って事は

｢…腫瘍小さくなっていなかった…？｣

dt｢…うん

それよりも大きくなっていたんだって…｣

淡々と話す涼太

それはどこかもう覚悟をしていたようだった

｢…いやでも

手術するとか方法は…｣

dt｢無いんだって

肺の癌が大きくなりすぎてるって…｣

どんだけ涼太を苦しめば済むんだよ

苦しめるなら俺に来いよ

耐えてみせるから

｢…うっ……ふっ……泣｣

dt｢……泣かないでよ、翔太｣

1歩進んだと思えばまた1歩下がる

どんだけ明るい未来を想像しても何も見えない

未来の先には

そこに涼太はいますか？

9人揃っていますか？