満点星 (ページ18)

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倦怠感も落ち着き熱も治まりようやく起き上がれるようになっていた

みんなは仕事で夕方に来ると聞いていた

ベッドで本を読んでトイレに行こうとして靴を履き立とうとした瞬間

ガクッと力が抜けて倒れてしまった

｢…え…？｣

鉛のように重く動かない

車椅子に乗りたくて動かそうとしても無理

尿意が我慢出来ず漏らしてしまった

みっともない

恥ずかしい

こんな年にもなって

下半身が冷たくて気持ち悪い

そんな時みんなが来た

みんなが片付けてくれている

情けなかった

こうやって一つ一つ何かが出来なくなるのだろうか

nb｢はい、新しい着替え

カーテン閉めるな｣

俺には何も出来ない

みんなの優しさが嬉しかったのにその優しさが辛い

着替えて横になる

床はアルコールで消毒したのか少しアルコールの匂いがする

｢……ほんとにごめんね

もう帰ってもいいよ…｣

1人になりたかった

それよりもみんなの顔見るのが辛い

iw｢…今日は帰ろう

舘さん、また明日来るから
温かくして寝なね｣

｢……うん｣

みんな帰ったのかと思った

でも

｢…翔太？｣

ドアにまだ翔太がいた

nb｢…治療も辛くて歩けなくなるのも辛い

それ全部俺が理解しようと思っても無理なのかもしれない

でも俺は

涼太を支えたい

涼太の苦しみ全部俺に分けて欲しいんだ｣

いつも翔太はずるい

俺が欲しい言葉、全部くれる

前は俺が翔太を支える部分が多かった

今はそんな翔太に沢山支えてもらってる

｢…ありがとう、翔太…泣｣

nb｢もう泣くな！
いつからそんな泣き虫になったんだよ！｣

｢うるさいな…笑｣

今支えてもらった分、今度はまた俺が翔太を支えるから

それまで待っていてね