貴方と、僕と、僕たちと。

綺麗で儚くて＿Ｏ ページ23

.








下手くそな芝居で翔くんを松潤と2人きりにして
適当に時間潰して戻ってきたら中から聞こえた泣き声。







松潤が翔くんにしがみつくように抱きついて泣いてて
抱きしめてあげてる翔くんも泣きそうで。









翔くんと2人になれたことで
やっと松潤も気持ちを吐き出せたのかなって、

暫く待ってたら次は可愛い2人の笑い声に変わって。









雅「………………見て…」

和「…………ふふ…………これ覗いていいの？」

「いいんじゃない？……んふ……………綺麗だね、」









扉の隙間から見えるのは、
額をくっつけて笑いあってる翔くんと泣き顔の松潤。








そのまま
涙で濡れた松潤の顔を翔くんが優しく拭ってあげて、下から掬うように
松潤の唇に自分の唇を重ねた翔くん。









和「ぁ………」

雅「…………………見ちゃったね……共犯だからね」









儚くて、綺麗で、優しい2人のキス。








病室じゃなければもっと綺麗だったのに、
なんて言葉は要らないほど。









翔「……………………ぁ………ちょっと？」

雅「やべっ、隠れろ…！」

翔「無駄だわ！見つかってんの、」

和「……あちゃー、見つかってんのか」

智「んふ…………ごちそうさま」

潤「……さ、最悪だ………」









覗いてる俺たちを見つけた翔ちゃんは、
わーわー言いながらも松潤のことは離さなくて。









和「潤くん、また明日来るね？」

「んん、あんまり無理して来なくていいからね」

雅「無理じゃないよ。松潤に会いたいから来るの」

「……そっか……ありがとう、ふふ」

智「体冷やさないように
しっかり毛布被って寝るんだよ」

「……うん……ふふ」

翔「……おやすみ、潤」

「うん、みんなありがとう、おやすみなさい」









あっという間に面会終了時刻。







明日はもう少し早く来てあげたい、
そんなことを思いながら名残惜しく病室を後にした。

貴方の涙の訳＿Ｏ→←溢れるもの＿Ｓ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す