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Heaven`s gate-天国の門-7/O ページ7

『002実験室』


そう書かれている部屋の前で歩みを止めた。


金属製のドアにそっと指で触れる。


冷たい感触を味わった後、目を閉じて頭の中に響く悲鳴を確認した。


ドアに触れた瞬間、一際大きく響くニノの悲鳴・・・


現実感が全くない自分の頭に


ニノの悲鳴だけがこだまする。


目を開けてじっと扉を見つめる。


目の奥が焼け爛れるような感覚を覚えながら、俺は扉がひしゃげていく映像をイメージした。








「・・・助け・・・助け・・・て・・・
いっあぁぁぁぁぁっっ!!!!!」


ドアを蹴破って中に入ると、直接耳をつんざくような悲鳴を聞いて、現実感のなかった自分から我に返った。


「えっ?なに?なんで?
ニノ?!ニノ!!!!!」


目の前には小さな台の上に寝かされて拘束されたニノ。


なにか電極のようなものをつけられて、電気のようなものでも流されているのか体を弓のようにしならせて、苦しがって泣き叫んでいる。


拘束された手首は金属が食い込んで、白い肌はすれて血が滲んでいた。


「ニノ!!!
ニノしっかりして!!!」


「あっ・・・あっ・・・
助け・・・・助け・・て・・・。」


体をビクビクと痙攣させながら、どこかぼんやりとした瞳で助けを求めて懇願している。


ニノの体に何かが流される度、頭の中を重苦しい何かに支配されるみたいに脈打つような頭痛がした。


・・・なんだよ


・・・なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだよ。


ニノが何をした?


俺達が何をした?


こんな目に遭わされる理由がどこにある?


脈打つような頭痛の中、もう一人の自分の声が頭の中で聞こえてきた。


壊シテシマエ


壊シテシマエ


全部ヲ壊シテシマエ


自分達ヲ苦シメル全テヲ


壊シツクシテシマエ


全テヲ・・・


ココノ全テヲ無ニ還セ


ワカッテルダロウ?


ソレグライノコト


簡単ニデキルッテ・・・








頭の中でそう囁く自分の声を聞いたのと同時、


体が燃え上がるような感覚に包まれた。

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設定タグ:大野智 , 二宮和也 , 大宮   
作品ジャンル:SF
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/  
作成日時:2012年3月26日 22時

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