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sweet soul 1/K ページ35

「離せ!!離せよ!!
翔ちゃんにおかしなことしたらタダじゃおかないからな!!!」


「うるさい!!
大人しくしてろ!!」


全身を拘束され、何本もの配線を取りつけられて、相葉は恐怖におののきながらも意識のない櫻井を気遣う。


そんな彼らを、私と小城はガラス越しに見つめていた。


ここは『001実験室』。


二宮を拘束し、ベータ波動の照射をしたラボと同様の部屋だ。


ガラス越しに元気な様子を見せる相葉に、コーヒーを飲みながら小城は笑う。


「元気いいよねぇ、彼。
ボク、ああいうタイプ嫌いじゃないよ。」


コーヒーを一気に飲み干すと、彼は少し残念そうな口調で言った。


「松本君、勿体ないね。
彼の能力がどういうものか、自分の目でちゃんと見たかったのに。
・・・内調の人間の変形した手を見た?」


「・・・えぇ、それに爛れた頭の彼も見ましたよ。」


「そう・・か。
彼の能力は・・DNAの塩基配列を破壊するのかな?
あの変形した手はヒトのものじゃないだろ?
それにしても、嵐のみんなは特殊だねぇ。
大野君の人間離れしたパワーといい、二宮君の思考に入り込む能力といい・・・。
面白い子ばっかりだ。」


「・・・・・・。」


「あ〜、松本君の能力を本当に見たかったなぁ。
内調の奴ら、あんなに大量の麻酔薬をなんで松本君に使うかなぁ?
象じゃないんだからさぁ・・・・。
あれじゃ丸一日目ェ覚まさないよ?
大方、能力を発動させた彼にパニックでも起こしたんだろうけど・・・。」


「これだから冷静な状況判断を下せない馬鹿は嫌いなんだよ。」


手にしていた紙コップをくしゃっと握りつぶすと、彼はそれをゴミ箱へ投げ捨てた。
それが上手く入ると、小城は子供のように嬉しそうに微笑む。


「ねぇ、麗子ちゃん♪
子供の時さぁ、アニメ見て不思議に思わなかった?」


「はっ?」


「だって世の中を救っちゃうのが子供ばっかじゃん。
不思議な力使ったり、強力なロボット操ったりして。
現実に在り得ないでしょ?」


「なんの話ですか?」


呆れ気味に返事をした私に、小城は真面目な顔でその先を続けた。


「だって10年ちょっとしか生きてない子供が、世界を左右するような決断迫られてその肩に運命背負い込んでさぁ。
その世界の大人は何やってんの?って話。」


・・・本当にこの男は何考えてるのかわからない。

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設定タグ:大野智 , 二宮和也 , 大宮   
作品ジャンル:SF
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/  
作成日時:2012年3月26日 22時

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