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109 - 本編 ページ49

【昔の話4】 五条side 最強だったんだ





日本にいる特級術師4人のうちの2人。
僕と、夏油傑。


A
「夏油傑ってあの…?」


五条
「そ、百鬼夜行を起こした最悪の術師。」


彼女も名前は知っているだろう。
去年、百鬼夜行を起こし、高専を襲撃した最悪の術師夏油傑。
確かAはその時高専に入学が決まったばかりで、寮にいたはずだ。


傑は僕の親友だった。


最初は僕と、傑と、硝子の3人だった。
喧嘩したりして担任に怒られたりしたけど、なんだかんだ僕達は仲が良かった。

僕が高専2年生の時、ある任務を任された。

星漿体、天元様との適合者その少女の護衛と抹消。
何度か邪魔が入ったりしたが、上手くいっていた。

最後までは。


星漿体の天内理子。
僕達は彼女を助けられなかった。
あの時の天内はまだ子供で、唯一の家族である黒井さんと離れるのを嫌がっていた。
でもそんな事を一切表に出さず気丈に振舞っていた。


星漿体が天元様と同化の一歩手前で、襲撃があった。
呪力が全くない男。その男に僕は殺された。


A
「…え、殺された…?」


驚いた表情で僕を見るA。

ここにいる僕はゾンビなんかじゃない。
あの時死にかけで掴んだ呪力の核心。
そのおかけで今僕はここに立っている。


僕が回復していたその間に、傑は襲われ、護衛対象だった少女は殺された。

傑の目の前でね。
それからだよ、傑がおかしくなり始めたのは。


最初は僕も気づかなかった。
元気がないのは分かってたけど、きっと暑い夏のせいだと思ってた。

それこそ夏バテか?なんて、軽口を叩いていたさ。
傑だから大丈夫だって思ってたんだ。


でも、違った。

傑は■■村の人達を全て皆殺しにし、自分の親までも殺した。

理由は、術師だけの世界を作るため。

アイツは非術師達に絶望したんだ。





それからはAも知ってると思うよ。
百鬼夜行を起こした夏油傑は高専を2度に渡って襲撃し、今の2年、乙骨憂太にやられた。


五条
「そんで最後に傑にトドメを刺したのが僕。」


全てを話し、Aを見る。
やっぱり酷く悲しそうな顔をしている。


A
「…色々あったんだね。」


Aは震える声でそう告げた。


五条
「ね、言ったでしょ?面白くないよって。」


そう言って僕はケーキをひと切れ、口に運んだ。





過去。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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